木下紗佑里

木下紗佑里の生涯とフリーダイビングキャリア

木下紗佑里（きのした さゆり）、1988年12月31日生まれ、長崎県大村市出身のフリーダイビング選手である。彼女は水泳に親しみ、長崎県立諫早商業高等学校で競泳選手として成長。高校卒業後は日本女子体育大学に入学し、中・高等学校の体育教諭免許を取得。その卒業後、スイミングスクールでインストラクターとして指導にあたった。

フリーダイビングとの出会い

2013年2月、彼女の競技人生に転機が訪れる。フリーダイビングの世界に足を踏み入れ、選手であるHANAKOの指導を受けることでこの魅力に気づく。初心者講習を経て参加した記録会では、スタティック・アプネア（STA）種目で当時の日本記録に迫る6分28秒という驚異的な成果を達成。その過程で、日本代表に選出され、世界選手権へと挑戦する機会を得た。世界選手権では最終決勝に進出し、7位という素晴らしい成績を収め、これが彼女のフリーダイビングの道を歩む決意を固めるきっかけとなった。

沖縄への拠点移動

2014年10月、木下は海洋競技に専念するため沖縄へ拠点を移した。2014年12月にはバハマ国際大会（Vertical Blue 2014）に参加し、コンスタント・ウェイト・ウィズ・アウト・フィン（CNF）で-56m、フリー・イマージョン（FIM）で-68mの日本新記録を樹立。女子総合準優勝を果たした。

2015年の大会では更に力を発揮し、CNFにおいて-60m、FIMで-80mの日本記録を更新し、女子総合優勝に輝く。同年9月、キプロスでの海洋競技世界選手権個人戦では、CNFにてアジア人初の優勝を成し遂げるなど、彼女の名は確実に知られる存在になっていった。

世界記録への挑戦

2016年4月26日、再びバハマ国際大会でのCNF種目で-72mを成功させ、アジア人として初の世界新記録を設ける。女子総合でも準優勝を果たし、その勢いは衰えなかった。

突然の悲劇

不幸にも、2019年7月11日、沖縄県読谷村の自宅アパートからの転落事故により意識不明の重体に陥る。搬送された病院での治療も虚しく、7月15日夕方に、年齢30歳でその命を閉じてしまった。彼女の早すぎる死は、フリーダイビング界にとって大きな損失となった。

最後に

木下紗佑里選手のキャリアは多くの人々に勇気を与え、フリーダイビングの普及にも寄与した。彼女の記録や功績は決して忘れられることはなく、今もなお多くの選手たちが彼女の足跡を追いかけ、インスピレーションを受けている。

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