本予算

本予算（当初予算）とは

本予算（ほんよさん）とは、一会計年度における年間予算として、年度の当初に成立する予算のことを指します。当初予算（とうしょよさん）とも呼ばれます。

本予算の成立プロセス

本予算は、国と地方自治体で成立プロセスが異なります。

国の場合

国家財政においては、財務大臣が予算案を作成し、閣議の決定を経た後、内閣として国会に提出されます。国会の承認を得ることで、予算が成立します。

通常、各省庁から8月末に提出された概算要求を、財務省が査定し、年末までに財務省原案として作成します。その後、各省庁との復活折衝を経て、政府案が決定されます。この政府予算案は、1月中に国会へ提出され、3月末日までに成立するよう進められます（財政法第16条～第28条）。

地方自治体の場合

地方自治体においては、地方公共団体の長（都道府県知事、市町村長）が会計年度（4月1日～翌年3月31日）の予算を調整し、年度開始前に議会の議決を経なければなりません。

この場合、遅くとも年度開始前、都道府県知事及び政令指定都市の長にあっては30日前、その他の市及び町村にあっては20日前までに予算を議会に提出する必要があります（地方自治法第211条第1項）。

予算の種類

予算には、本予算のほかに、以下のような種類があります。

暫定予算: 本予算の成立が年度開始に間に合わない場合に、一定期間の支出を可能とするための予算。
補正予算: 年度途中で、当初の予算に不足が生じた場合や、新たな政策課題に対応するために編成される予算。

専決処分

議会の議決を経る時間的余裕がない場合など、一定の条件の下で、地方公共団体の長が議会の議決を経ずに予算を執行できる制度を専決処分といいます。

本予算