本間美術館

本間美術館：庄内地方に息づく歴史と美

由緒ある歴史と洗練された空間

山形県酒田市に位置する本間美術館は、庄内地方を代表する大地主であった本間家が代々収集した美術工芸品を収蔵・展示する登録博物館です。単なる美術館としてだけでなく、京風の純和風建築である「清遠閣」と広大な庭園「鶴舞園」を擁する庭園美術館としての魅力も併せ持ちます。敷地内には窯があり、伝統的な民芸品である本間焼も制作されています。

1947年、戦後初の私立美術館として開館。本間家別荘を改築した木造二階建ての建物と19,800平方メートルの庭園を公開しました。運営は、地元有志らで結成された「酒田美術協会」が担い、初代館長には日本刀研究の第一人者である本間順治氏が就任しました。1965年には財団法人化、1968年には伊藤喜三郎氏設計による新館がオープンするなど、発展を遂げてきました。2013年には公益財団法人となりました。

質実剛健なコレクション

本間美術館のコレクションは、本間家が代々受け継いできた美術工芸品が中心です。「奢侈を戒め、質素倹約に努める」という家訓を遵守してきた本間家の家風を反映し、収蔵品は質実剛健な作品が多くを占めています。家伝品以外にも、2代館長を務めた本間祐介氏によって収集された円山応挙の「鼬図」など、貴重な作品が数多く展示されています。特に、重要文化財に指定されている「伊勢物語（伝民部卿局筆本）」、「市河文書147通」、「藤原定家筆消息（十月八日）」、「蒔絵二重短刀箱」などは、日本の美術史における重要な資料として高く評価されています。「市河文書」は、中世後期の信濃国高井郡の国衆、江戸時代の上杉家家臣市河氏に伝来した文書群で、本間美術館には147点が収蔵されています。

歴史と自然が調和する庭園

美術館の庭園「鶴舞園」は、1813年に本間家4代当主・本間光道によって築造された清遠閣と共に、庄内藩主の立ち寄り所としても利用されてきました。1925年には皇太子（後の昭和天皇）が行啓された歴史を持ちます。2012年には国の名勝に指定され、その景観は多くの来場者を魅了しています。

アクセスと情報

本間美術館はJR酒田駅から徒歩5分の場所に位置し、アクセスも良好です。開館時間は午前9時30分から午後4時30分まで（入館は午後4時まで）です。月曜日は休館日ですが、祝日の場合は翌日休館となります。詳しくは、本間美術館の公式ウェブサイトをご確認ください。

まとめ

本間美術館は、歴史的建造物、貴重な美術工芸品、そして美しい庭園が一体となった、他に類を見ない文化施設です。庄内地方の歴史と文化を深く理解し、日本の美術の魅力を堪能できる場所として、多くの人々に愛されています。 本間美術館を訪れ、質実剛健な美と歴史の息吹を感じてみてください。

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