杉並アニメーションミュージアム

アニメーションの殿堂：杉並アニメーションミュージアム

東京都杉並区上荻に位置する杉並アニメーションミュージアムは、アニメーションに関するあらゆる情報を網羅した、日本で最初の総合博物館です。2003年に「杉並アニメ資料館」として開館し、2005年に現在の名称で再開館しました。ジブリ美術館のように特定の作家に焦点を当てた博物館ではなく、日本のアニメーション史全体を俯瞰できる貴重な施設として、アニメファンのみならず、広く一般の人々にも親しまれています。

杉並区が地場産業であるアニメーション産業を振興するため、区の熱意から生まれたこのミュージアムは、アニメーションの歴史をたどる展示、制作工程を分かりやすく解説する展示、そして貴重なアニメ作品の上映など、多様なコンテンツを提供しています。来館者はアニメーションの歴史を学び、アニメーション制作の裏側を垣間見ることができます。

ミュージアムでは、アニメーション制作体験プログラムも実施しています。アフレコや効果音の制作を疑似体験できる貴重な機会は、アニメーションへの理解を深めるだけでなく、創造性を刺激する場にもなっています。

さらに、杉並アニメーションミュージアムは、日本のアニメーション界に多大な貢献をした作家たちの功績を称える場でもあります。著名な漫画家やアニメーション作家が亡くなった際には、追悼展示会を開催し、彼らの作品や人生を振り返る機会を提供しています。過去には、上田トシコ氏や逢坂浩司氏など、多くの巨匠を偲ぶ展示会が開催されました。

2021年4月からは、吉田力雄氏が館長を務めています。吉田氏は東京ムービー（現トムス・エンタテインメント）で長年制作進行やプロデューサーとして活躍し、アニメーション業界に精通した人物です。前任の鈴木伸一氏は、アニメーション作家としてだけでなく、藤子不二雄作品に登場する小池さんのモデルとしても知られています。

杉並アニメーションミュージアムは無料開放されていますが、2018年には命名権を募集し、東京工芸大学が命名権を取得しました。これは、杉並区が民間企業との連携を強化し、ミュージアム運営の更なる充実を図るための取り組みの一環です。現在も東京工芸大学の名称を冠して運営されており、その連携の継続がうかがえます。

アクセスは、JR中央線荻窪駅より徒歩15分、または西武新宿線井荻駅より徒歩10分です。開館時間は10:00から18:00まで（最終入館は17:30）、休館日は毎週月曜日と年末年始です。

杉並アニメーションミュージアムは、アニメーションを愛する人々にとって、まさに聖地と言える場所です。アニメーションの歴史と魅力を肌で感じ、未来への創造性を育む、貴重な体験を提供してくれるでしょう。

公式ウェブサイトやSNSアカウントも活用して、最新の情報をチェックし、ぜひ足を運んでみてください。

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