東森駅

東森駅

東森駅（ひがしもりえき）は、北海道渡島総合振興局茅部郡森町港町に所在する、北海道旅客鉄道（JR北海道）函館本線の駅です。通称「砂原支線」と呼ばれる区間に位置し、駅番号はN63が付与されています。「ひがしもり」と読むこの駅は、森駅の東側に位置することからその名が付けられました。現在は森駅管理下の無人駅として営業しています。

歴史

東森駅の歴史は、1927年（昭和2年）12月25日に渡島海岸鉄道の「東森仮駅」として始まった比較的新しいものです。これは渡島海岸鉄道の当駅（仮駅）から砂原駅までの区間が開通したことに伴う開業でした。しかし、翌年の1928年（昭和3年）9月13日には、渡島海岸鉄道が森駅まで延伸したことにより、仮駅としての役割を終え一旦廃止されます。その後、1934年（昭和9年）7月1日、場所を大沼方面に移して正式な駅である「東森駅」として再開業を果たしました。この頃は一般駅として、旅客だけでなく貨物や荷物も取り扱っていました。

戦時中の1945年（昭和20年）1月25日、渡島海岸鉄道が国有化され、東森駅は国有鉄道函館本線の駅となります。1949年（昭和24年）6月1日には、日本国有鉄道（国鉄）の発足に伴い、国鉄の駅として運営が引き継がれました。時代が進むにつれて貨物輸送の形態が変化し、1961年（昭和36年）2月1日には専用線発着以外の貨物取扱いが廃止され、さらに1965年（昭和40年）5月1日には貨物取扱いが全て廃止となりました。荷物取扱いも1971年（昭和46年）10月26日に廃止され、同時に駅は無人化されました。現在の特徴的な駅舎は、1979年（昭和54年）3月30日に改築された鉄筋コンクリート造のものです。国鉄分割民営化により、1987年（昭和62年）4月1日からはJR北海道の駅となり、2007年（平成19年）10月1日には駅ナンバリングが導入され、N63という番号が与えられました。

駅名の由来

駅名の「東森」は、駅が位置する方角に由来しています。函館本線の主要駅である「森駅」から見て東方に位置していることから、その名が冠されました。

駅構造

東森駅は、線路に面して一本のホームが設置された単式ホーム1面1線の地上駅です。列車の行き違いや折り返し設備を持たない「棒線駅」となっています。ホームは線路の南側（森方面に向かって左手）に設けられています。無人駅であり、管理は森駅が行っています。駅舎は構内の北側に建てられており、ホームへ向かうためには構内踏切を渡る必要があります。かつて側線が存在したため、駅構内は比較的広い空間が確保されています。

駅舎は1979年に改築された鉄筋コンクリート造で、その外観は非常に特徴的です。赤い屋根が地面近くまで伸びており、まるで大きな三角形のようなユニークなデザインをしています。駅舎内については、1990年代には荒れた時期もあったようですが、現在では改善され、静かに利用者を見守っています。なお、現在の駅の位置は、渡島海岸鉄道時代に正式な駅として再開業した場所と同じですが、開業当初の仮駅は現在地から約300メートルほど西に離れていました。

駅周辺

駅周辺は住宅街の中に位置しており、人々の暮らしが息づいています。生活関連の施設としては、北海道道1028号森砂原線が近くを通るほか、森港郵便局や森漁業協同組合などが見られます。また、地域産業に関わる施設として、マルハニチロ株式会社の化成バイオ事業部や株式会社マルハニチロ北日本の森工場、株式会社ニチレイフーズの森工場などが立地しており、食品関連企業の工場が多いのも特徴です。これらの工場群のそばには、「日本冷凍食品事業発祥の地」を示す記念碑も建てられています。駅のすぐ近くには森漁港が広がり、その向こうには雄大な内浦湾が望めます。さらに、晴れた日には北海道駒ヶ岳の美しい姿を遠望することも可能です。駅前には函館バスの「港町」停留所があり、バス路線への接続も利用できます。

隣の駅

JR北海道 函館本線（砂原支線）
尾白内駅 (N64) - 東森駅 (N63) - 森駅 (H62)

かつて存在した路線：渡島海岸鉄道
渡島海岸鉄道線
森駅 - 新川停留所 - 東森駅 - 尾白内駅

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