東美

株式会社東美とS東美

株式会社東美は、長崎県で総合スーパーマーケット『S東美』を展開する企業です。CGCグループに加盟しており、関連会社が運営する『Sマート』や『STAY』といったスーパーマーケットも展開しています。

創業から戦前

東美の前身は、1923年、佐々木房男氏によって創業された『佐々木防水布雨具店』です。当時、黒一色の雨合羽が主流だった中、独自開発の色付き防水薬剤を用いたカラフルな雨合羽を販売し、大きな成功を収めました。その後、1930年には『佐々木百貨店』と改称し、衣料品や化粧品なども扱う百貨店として営業を始めました。しかし、1935年には不況の影響で倒産しています。

佐々木氏はその後、大連で事業を興し成功を収めます。太平洋戦争の勃発に伴い帰国、長崎で鉄鋼工場を併設した旅館『旅館松竜』を開業しました。戦時中は、切削油や研磨剤の製造も行っていました。しかし、1945年の原爆投下により旅館は焼失してしまいます。

戦後とS東美の誕生

終戦後、佐々木氏は高級美術品の販売などを経て、1947年には衣料品店『東洋美装店』を設立します。1951年には、長崎初のファッションショーを開催するなど、積極的に事業を展開しました。

1966年、複合商業施設『長崎松竹会館』内に移転し、店名を『S東美』に変更。地下1階から6階までを店舗として使用し、映画館や娯楽施設も併設した大規模な商業施設となりました。

Sマートの展開と現在

1968年には関連会社『エスマート』を設立し、『Sマート』を展開開始。現在も長崎市内に複数の『Sマート』を営業しています。

2002年には長崎松竹会館の映画館が閉館。その後、テナントの入れ替えが行われ、2014年には松竹が建物を売却しました。現在は谷川建設が所有し、東美が借り受けて使用しています。

2023年10月、建物の老朽化による解体のため、2024年春にS東美本店が閉店することが発表されました。『Sマート』4店舗は継続営業するものの、S東美の移転については検討中とのことです。

S東美の特色

S東美は、毎月1日の『一日商い』、第2または第3月曜日の『東美の日』、月末の『感謝祭り』など、独自のセールを実施しています。『一日商い』は、ダイエーの『一の市』に対抗して開始されたものです。

また、ブルーチップ加盟店であり、独自の会員カード『com.card』も発行しています。かつてはニチイや寿屋と共同で九州ニチイを設立していましたが、後に撤退しています。

店舗情報

S東美本店: 長崎市浜町

Sマート: 長崎市内に複数店舗展開

関連会社

東洋興産（不動産管理）
東美友の会（友の会運営）
* 東美商事（商事関連）

参考文献

複数文献を参考に記述しています。詳細は本文中に記載しました。

まとめ

株式会社東美は、戦前から続く歴史を持つ老舗企業です。時代の変化に対応しながら、地域に密着したスーパーマーケットとして発展を遂げてきました。S東美本店の閉店は残念ですが、今後の展開に期待したいところです。

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