東舞鶴

東舞鶴：軍港都市の興亡と現代

東舞鶴は、京都府舞鶴市の東部地域を指す名称です。1938年（昭和13年）に東舞鶴市として誕生しましたが、1943年（昭和18年）に西舞鶴市と合併して現在の舞鶴市となりました。軍港都市として発展した東舞鶴の歴史と、西舞鶴との関係性、そして現在の商業状況までを詳細に見ていきましょう。

軍港都市としての発展

西舞鶴が城下町として発展したのに対し、東舞鶴は1901年（明治34年）の舞鶴鎮守府開設を契機に、軍港都市として発展しました。現在の東舞鶴駅周辺にあたる浜地区は、京都市をモデルにした碁盤の目状の道路網が整備されました。この計画的な都市設計は、東舞鶴の街並みに独特の風格を与えています。

軍港建設に伴い、多くの軍需施設が建設され、人口は急増しました。東舞鶴の急速な発展は、西舞鶴とは対照的なものでした。この発展の過程で、旧日本海軍が整備した与保呂川水源は、現在も東舞鶴市民の貴重な水源となっています。

東舞鶴市の成立と合併

東舞鶴市は、1938年（昭和13年）8月1日、新舞鶴町、中舞鶴町、志楽村、倉梯村、与保呂村の合併によって誕生しました。その後、1942年（昭和17年）8月1日には、東大浦村、西大浦村、朝来村を編入しました。しかし、太平洋戦争の激化により、東西舞鶴に軍需施設が集中するようになり、「軍都の一括管理」という名目で、海軍主導による合併が推進されました。

そして、1943年（昭和18年）5月27日、東舞鶴市は西舞鶴市と対等合併し、新たに舞鶴市が成立、東舞鶴市は消滅しました。この合併は、両地区の住民感情に大きな影響を与えました。東舞鶴と西舞鶴は、発展の経緯が大きく異なるため、住民意識にも違いがあったのです。

東西対立と再分割の試み

東西舞鶴の対立は、合併後も根強く残りました。1950年（昭和25年）には、住民投票で舞鶴市を東西に分割する案が可決されるも、京都府議会によって否決されました。この出来事は、東西間の歴史的な溝の深さを示す出来事でした。現在でも、市長選挙や府議会議員選挙において、東西の対立は無視できない要素となっています。

商業施設の現状

人口規模から見ると、東舞鶴地区の方が西舞鶴地区よりも人口が多く、商業施設も比較的充実していました。しかし、近年は西舞鶴地区にも大型商業施設が進出し、商業構造に変化が見られます。

代表的な商業施設としては、1995年（平成7年）にオープンした「エール東舞鶴店（らぽーる）」、2013年（平成25年）にオープンした「ケーズデンキ東舞鶴店」などが挙げられます。「エール東舞鶴店」は、松尾百貨店を前身とする商業施設で、近畿地方北部最大規模の売場面積を誇ります。「ケーズデンキ東舞鶴店」は、京都府北部最大規模の家電量販店です。これらの商業施設は、東舞鶴地区の経済を支える重要な役割を担っています。

まとめ

東舞鶴は、軍港都市として発展してきた歴史と、西舞鶴との複雑な関係性を持つ地域です。軍港建設によって急速な発展を遂げた一方で、合併を巡る対立や、現在も続く東西対立といった課題を抱えています。しかし、現在も商業施設などが整備され、活気ある都市として発展を続けています。東舞鶴の歴史と現状を知ることは、舞鶴市の理解を深める上で不可欠です。

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