松村雄策

松村雄策 - 日本の音楽評論家、文筆家、アーティスト

松村雄策（まつむら ゆうさく）は、1951年4月12日生まれ、2022年3月12日に逝去した日本の音楽評論家、文筆家、歌手です。東京都大田区に育ち、1970年には東京都立桜町高等学校の夜間部を卒業しています。彼の音楽キャリアは、1970年にアマチュアバンド「自滅回路」を結成したことから始まりました。このバンドは、ドアーズやジャックスのレパートリーをコピーし、彼の音楽の基礎を築く重要な経験となりました。

1972年には、渋谷陽一や岩谷宏、橘川幸夫らと共にロック雑誌『ロッキング・オン』を創刊しました。この雑誌は、日本のロックシーンにおける重要な媒体として広く認知され、松村の提案や批評が多くの読者に影響を与えました。1975年には、インディーズという概念が浸透していない時期に、自主制作カセットテープ『今がすべて』をリリースし、自己表現の新しい形を模索しました。

彼の音楽活動は1978年に1stアルバム『夢のひと』のリリースに続きますが、制作当初は渋谷陽一のプロデュースに満足できなかったため、以降のアルバムは自身がプロデュースを行いました。ビートルズの影響を強く受けており、彼に関する独自の視点を持った批評が多く見られます。そのスタイルはしばしば、主題と無関係な事柄を思い出させ、最後に結論を示す独特なものでした。

彼はまた渋谷陽一との「渋松対談」を通じて、音楽界のさまざまな話題についての対話を展開し、その内容は単行本化されています。この対談では、松村が渋谷のユーモアに対して冷静な反応を示す役割を果たしていました。1991年には著名作家小林信彦との間でビートルズ論争を行うなど、議論を巻き起こす存在でもありました。

松村は2014年には元ジャックスの水橋春夫とのグループに参加し、自作の楽曲「黒い鳥」をレコーディングしました。また、2021年には『rockin'on』の特集に寄稿し、自身の近況や音楽への思いを語りました。残念ながら、彼は2022年に肺がんで70歳で逝去しましたが、その影響は未だに音楽界に色濃く残っています。

ディスコグラフィー

松村の音楽作品には、シングルやアルバムが含まれ、その一部はデジタルリマスター版としても再リリースされています。

• - シングルEP

- 『あなたに沈みたい』（1978年、日本コロムビア）
- 『GREEN LIGHT』（1979年、日本コロムビア）
- 『PRIVATE EYE』（1979年、日本コロムビア）

• - アルバム

- 『夢のひと』（1978年、日本コロムビア）
- 『Private Eye』（1979年、日本コロムビア）
- 『Unfinished Remembers』（1984年、徳間音工）

主な著作

松村雄策は多くの著作を残しており、その中には音楽に関する評論やエッセイが含まれています。彼の文章は、音楽の深い理解と独自の視点を反映しています。

• - 『アビイ・ロードからの裏通り』
• - 『ビートルズは眠らない』
• - 『僕を作った66枚のレコード』 など

まとめ

松村雄策の功績は、音楽評論家としての豊かな表現力と独自の視点にあります。彼の批評は多くの人々に影響を与え、現在の日本の音楽シーンにおいてもその影響は続いています。

もう一度検索