ロッキング・オン

株式会社ロッキング・オンについて

株式会社ロッキング・オン（rockin'on inc）は、日本の音楽関連出版社であり、洋楽および邦楽の専門誌をはじめ、多様なカルチャーを扱う雑誌や総合誌、美術誌を含む7つの雑誌を刊行しています。さらに、ロックフェスティバルなどのイベント事業にも携わり、音楽業界において確固たる地位を築いています。

企業の歴史

ロッキング・オンの歴史は1972年にまで遡ります。音楽評論家の渋谷陽一が、新宿のロック喫茶で水上はるこが中心となって発行したロックのミニコミ「レボリューション」を見つけたことから始まりました。彼は、廃刊となる際に、同じく投稿者だった岩谷宏と知り合い、その後、渋谷と岩谷は「rockin'on」というミニコミを創刊しました。最初は3,000部を印刷し都内の書店やロック喫茶、楽器店を中心に販売されましたが、創刊号は売れ残る状況が続きました。

その後、販売体制の改善策として大手取次会社との契約を結び、1973年3月には投稿誌として全国配本が開始されました。音楽誌としては、新たな試みや企画が読者に受け入れられ、経営も徐々に安定していきました。1977年には部数が急増し、月刊化が決定。さらに、1978年からはカラーグラビアの追加や英紙からの翻訳記事も掲載され、商業音楽誌らしい方向性を強化しました。

1982年12月には株式会社として法人化し、1986年には邦楽専門の音楽誌「ROCKIN'ON JAPAN」を創刊しました。その後、1990年代から2000年代にかけては音楽以外の分野にも進出し、さまざまな社会問題やサブカルチャーに関する書籍も発行するようになりました。また、2000年代以降は「ROCK IN JAPAN FESTIVAL」などの音楽イベントを主催し、音楽文化の発展に寄与しています。

企業の方針

ロッキング・オンは雑誌の編集方針として、アーティスト側からの原稿チェックの要求には基本的に応じないというスタンスを持っています。この方針は、編集の独立性を維持するためのもので、業界の慣例に対して警戒していることから来ています。編集長が異なると雑誌の方向性が大きく変わることが多いですが、常に「雑誌は編集長のもの」という理念を掲げて運営されています。

グループ構成

株式会社ロッキング・オンは、音楽誌だけでなく、カルチャー誌や美術誌、さらには音楽情報サイト「rockin'on.com」の管理運営も行っています。また、ロッキング・オン・ジャパンやロッキング・オン・ホールディングスなどの関連会社も存在し、音楽イベントの企画・制作やグループ全体の管理業務などを手掛けています。

代表的な雑誌

現在刊行中の雑誌には、毎月発行される洋楽専門の「rockin'on」、邦楽専門の「ROCKIN'ON JAPAN」、カルチャー誌の「CUT」などがあります。これらの雑誌は音楽ファンのみならず、広く文化を享受する読者に支持されています。

主催するイベント

さらに、ロッキング・オンはROCK IN JAPAN FESTIVALやCOUNTDOWN JAPANなどの大型音楽イベントの開催も手がけ、音楽シーンにおいて重要な役割を果たしています。これにより、新進アーティストの発掘や音楽文化の普及にも寄与し続けています。

結論

株式会社ロッキング・オンは、豊富な歴史を持つ音楽系出版社であり、常に時代の変化に対応しながら、独自のスタンスで音楽誌を展開し続けることで、幅広い読者層に支持されています。音楽業界の未来においても、その存在感はますます増していくことでしょう。

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