柞原八幡宮

柞原八幡宮：豊後国一宮の歴史と文化

大分県大分市に位置する柞原八幡宮は、豊後国の一宮として知られる由緒ある神社です。古くから人々の信仰を集め、歴史的にも重要な役割を果たしてきたこの神社の魅力を、詳細に探っていきましょう。

創建と歴史：宇佐八幡宮との深い繋がり

社伝によれば、天長7年（827年）、延暦寺の僧・金亀が宇佐八幡宮で神託を受け、豊前国への八幡神の垂迹を報告、その後、仁明天皇の命により社殿が建立されたと伝えられています。このことから、柞原八幡宮は宇佐八幡宮の分祀であることが分かります。

創建以来、宇佐八幡宮と深い関わりを持ち、33年ごとの社殿造営（式年遷宮）を行うなど、その影響を強く受けてきました。鎌倉時代以降は大友氏をはじめとする歴代領主の崇敬を受け、豊後国一宮の称号を称するようになりました。一宮の座を巡っては、西寒多神社との間で近世まで論争があったことも記録されています。

中世から近世にかけては、国司や領主からの厚い崇敬を受け、その影響力は絶大なものとなりました。戦国時代には大友宗麟のキリスト教信仰に伴う弾圧を受けましたが、江戸時代には府内藩主の保護を受け、信仰は守られてきました。

明治時代には県社に列せられ、大正時代には国幣小社に昇格。現代では神社本庁の別表神社に指定されています。社名の表記は明治時代以降「柞原八幡宮」となる以前は「由原宮」や「八幡由原宮」などと呼ばれていました。

境内と社殿：荘厳な建築美

柞原八幡宮は、二葉山山麓に鎮座し、長い階段を上ると南大門へと至ります。境内は、参道と勅使道に分かれ、正面の参道は西門へと、右斜めの勅使道は楼門へと繋がっています。

社殿は、本殿、拝殿、楼門、回廊、宝殿、西門、南大門などから構成され、その多くは寛延2年（1749年）の焼失後に再建されたものです。本殿は八幡造という独特の建築様式で、桁行5間、梁間2間の後殿と前殿を前後に接続した構造が特徴です。朱塗りの柱や梁、黒塗りの蔀戸、銅板葺きの屋根など、細部に至るまでこだわり抜かれた建築美は圧巻です。本殿、拝殿、楼門、回廊、宝殿、西門、南大門の10棟は、国の重要文化財に指定されています。

その他にも、申殿、宝蔵、八王子社などが境内には存在し、それぞれに歴史と文化が息づいています。境内にあるクスノキは樹齢3000年以上と伝えられ、伊能忠敬もその巨木を日記に記しています。

文化財：数多くの貴重な遺宝

柞原八幡宮は、数多くの貴重な文化財を有しています。国の重要文化財に指定されているのは、社殿10棟の他、銅造如来立像、太刀、薙刀、兜、文書類など多岐に渡ります。これらの文化財は、神社の歴史と文化を伝える貴重な遺産です。また、県指定有形文化財にも多くの品々が指定されています。これら文化財は、日本の歴史と文化を理解する上で重要な役割を果たしています。

アクセス：交通手段

柞原八幡宮へのアクセスは、JR九州日豊本線西大分駅から徒歩約60分、または大分交通バスを利用できます。大分駅からはバスで約35分、東九州自動車道大分ICからは車で約15分と、比較的アクセスしやすい立地です。

まとめ

柞原八幡宮は、その歴史、建築、そして数多くの文化財を通して、日本の文化と歴史を深く理解できる場所です。大分を訪れた際は、ぜひこの荘厳な神社を訪れて、その魅力を体感してみてください。

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