桑原亮子

桑原亮子のプロフィールと業績

桑原亮子（くわはら りょうこ、1980年生まれ）は、日本出身の脚本家および歌人であり、京都府京都市に在住しています。彼女は早稲田大学第一文学部を卒業し、その後シナリオ・センター大阪校（60期）で学びました。桑原は中途失聴による重度の聴覚障害を抱えていますが、その障害を逆境に変え、見事な文学的キャリアを築いてきました。

生い立ちと教育

桑原は、小学6年生のときから段階的に聞こえづらくなり、中学校に入学する頃には感音性難聴と診断されました。兵庫県西宮市の私立中学に通うため、祖母の家に下宿する生活を送りましたが、中学2年生のときには阪神淡路大震災に自らも被災してしまいました。

大学進学後、彼女は弁護士資格の取得を目指しますが、難聴の悪化に直面しました。20歳を迎える頃には人の声を聞き取れなくなり、弁護士の夢はほぼ挫折を余儀なくされます。しかし、ある日書店で見かけた文芸雑誌に、一般の人々が投稿した詩や童話を掲載しているのを見て、「自分にも書けるかもしれない」という閃きを得ました。此の出会いが彼女を作家への道へ導くことになります。

執筆活動のスタート

大学在学中から童話と詩を書き始め、作品が雑誌に掲載されたことで、「書く仕事をしたい」と心に決め、卒業後はシナリオ・センターに入校しました。20代半ばから本格的にシナリオ制作を開始し、2008年には「塔」短歌会に入会。短歌にも挑戦し、翌年には「歌会始の儀」に入選するなど成果をあげます。

脚本家としての成功

2013年、桑原は『星と絵葉書』で第41回創作ラジオドラマ大賞の奨励賞を受賞。その後、2014年には『夏の午後、湾は光り、』が第53回BKラジオドラマ脚本賞で最優秀賞を獲得し、脚本家としての道を進みました。特にラジオドラマでは、「言葉の力」でリスナーに想像を託ける魅力に惹かれ、2017年度にはFMシアター『冬の曳航』が文化庁芸術祭の優秀賞に輝きます。

また、彼女は2015年にはテレビドラマ『禁断の実は満月に輝く』をNHK Eテレで放送し、2020年には、自身の震災体験を基にしたドラマ『心の傷を癒すということ』で連続ドラマの脚本にも挑戦しました。

連続テレビ小説『舞いあがれ!』

2022年度下半期の連続テレビ小説『舞いあがれ!』では、東大阪の町工場を舞台にしたストーリーで、飛行機に憧れるヒロインの成長を描いています。劇中で作成した短歌は、特に注目を集め、角川書店から歌集『トビウオが飛ぶとき 「舞いあがれ！」アンソロジー』として出版されることが決まりました。

受賞歴と作品リスト

桑原は数々の受賞歴を持ち、『星と絵葉書』の奨励賞や『夏の午後、湾は光り、』の最優秀賞などがその一例です。彼女のラジオドラマやテレビドラマの作品には、FMシアターでの数々の作品が含まれ、最近の作品には『歌をなくした夏』や『ツシマヤマネコの歌』などがあります。

結語

桑原亮子は、聴覚に障害を持ちながらも、その独自の視点と豊かな感性で文学の世界で輝き続けています。彼女の物語は、多くの人々に希望を与え、創作活動の重要な意義を示しています。

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