櫻木みわ

櫻木 みわについて

経歴
櫻木みわは1978年に福岡県で生まれました。彼女の幼少期は筑豊地方で過ごし、中学からは福岡市内の女子校に通いました。大学では早稲田大学に入学し、在学中に短歌に関心を持ち、水原紫苑のゼミに参加したことを契機に短歌の世界に足を踏み入れました。大学の短歌会や京都大学の短歌会にも参加し、短歌のスキルを磨いた彼女は、石川美南や内山晶太とともに短歌同人誌『pool』の制作に関わります。

大学を卒業すると、彼女はタイ王国の出版社で働き始め、日本人向けのフリーペーパーの編集を任されました。この経験を経て、彼女は東ティモールやフランス、インドネシアなど数カ国に滞在し、充実した国際経験を得ました。その後、フランス人と結婚し、日本に戻って生活することとなります。

文壇デビューと作品
彼女の初期の作品としては、2006年に「遊戯生活」が第5回女による女のためのR-18文学賞にノミネートされたことが挙げられます。さらに、2016年には「ゲンロン 大森望 SF創作講座」に参加し、2017年には「わたしのクリスタル」が第1回ゲンロンSF新人賞の最終候補に選ばれました。

2018年、彼女は『うつくしい繭』という作品集で作家としてデビューを果たします。この作品集は、同講座の提出作をもとに改稿されたものであり、多様な視点からの物語が収められています。彼女の作品は、特に個人的な経験や感情を叙述するスタイルが特徴で、読者を強く惹きつけています。

代表作の一つである『コークスが燃えている』(2022年)では、40歳での妊娠、流産のプロセスを描いており、個人の経験が色濃く反映されています。この作品は、契約社員の女性が一人で出産しようと奮闘する物語で、『読売新聞』の取材に対して彼女は、この小説には自身の流産経験が色濃く反映されていることを明かしています。

その他の作品
櫻木みわは単行本だけでなく、数々のアンソロジーや雑誌にも作品を寄稿しています。彼女の短編は、『アステリズムに花束を』や『25の短編小説』などに収められ、幅広いジャンルに対応する才能を見せています。特に、SFにおいても多くの賞にノミネートされ、その独自性を保持しつつも社会的なテーマに挑む姿勢は高く評価されています。

栄誉と活動
彼女は短歌だけでなく、エッセイや他の文学作品にも積極的に取り組んでおり、豊富な媒体での活動が目立ちます。文学界での存在感を高めつつあり、特に女性作家としての視点を大切にし、独自の文体とテーマで確固たる地位を築いています。これからの彼女の活動から目が離せません。

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