水上はるこ

水上はるこについて

水上はるこ（1947年8月16日生まれ）は、日本の音楽界において特異な地位を築いてきた雑誌編集者、音楽評論家、翻訳家である。彼女は本名を明かさず活動しており、その神秘的な存在が彼女の魅力でもある。愛媛県に生まれ、山口県下関市で成長を遂げた水上の人生は、音楽との出会いによって彩られた。

経歴の概要

水上はるこは1966年に山口県立下関南高等学校を卒業し、翌年には新興楽譜出版社に入社。この出版社は後にシンコーミュージック・エンタテイメントと名前が変わるが、彼女が音楽界に足を踏み入れるきっかけとなった。その後、1967年には「ミュージック・ライフ」の編集部に配属され、多くの著名なアーティストのコンサートを見学して評価を行った。この頃、ビートルズのコンサートをすべて見た経験が彼女の音楽評論家としての出発点となった。

水上は、高校時代からフォークソングに興味を持ち、ギターを手に歌うことにも親しんでいた。彼女の音楽に対する情熱は、同世代のアーティストとの文通や交流にもつながり、1968年には京都で開催された「第3回フォークキャンプ」において遠藤賢司らと出会う。これらの経験が彼女の音楽的視野を広げていく。

海外体験とフリーランス活動

1971年、新興楽譜出版社の社員からの勧めで初の海外旅行を果たし、ロンドンで多くのライブを観る。彼女は1972年にサンフランシスコへ移り住み、当地のヒッピーコミュニティや音楽シーンに触れ、帰国後はその経験を活かして国内の音楽雑誌にレポートを投稿した。当時、音楽評論家としてコンサートを観ることが少なかったため、彼女のユニークな観点が評価された。

フリーランス時代には、「Revolution」という音楽ミニコミを発行し、多くの若者に支持されたが、通算3号で廃刊に。1973年には再度新興楽譜出版社へ戻り「ミュージック・ライフ」や「プラスワン」の編集を担当した。

編集長としての成功と注目

1975年には「ミュージック・ライフ」の編集長に就任し、ウィッシュボーン・アッシュなどのアーティストを特集。その後、様々なジャンルのミュージシャンたちと関わりを持った。特に1978年にブルース・スプリングスティーンとインタビューしたことは、日本国内での彼に関する初の報道となった。彼女は多くのロックスターの特集記事を執筆し、日本の音楽ファンの間で強い影響力を持つようになった。

また、「Jam」や「Rock Show」など新たな音楽雑誌を創刊し、ロックファンのニーズに応えた。彼女は伝説的なアーティストたちとの交流を通じて、印象的なエピソードを持っている。

国際的な活躍とLegacy

1979年以降、渡英を経て再びアメリカで活動し、海外旅行に関するガイド本を出版。特に、ポール・マッカートニーの来日公演におけるパブリシストとしての職務も果たし、音楽業界における重要な役割を担った。1980年代にはヨーロッパ各地での音楽イベントに関与し、これまでのキャリアにより国際的な音楽シーンともしっかりと繋がる。

その後も翻訳、執筆活動を続け、1993年以降は一時的に活動を休止し、モスクワに留学。日本へ帰国後は教育分野に身を置いた後、2001年の同時多発テロを契機に再びアメリカへ。

最終的に、2018年には小説「レモンソング・金色のレスポールを弾く男」を出版し、長年の音楽に対する情熱を作品として表現。彼女の業績は、常に新しい音楽文化を受け入れ発信し続ける姿勢にあふれており、今日に至るまで多くのファンや後進のミュージシャンに影響を与え続けている。

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