水深

水深について

水深とは、海、湖、川、プールなどの水面から、その底面までの垂直方向の距離のことです。この記事では、水深の定義、海図や地形図における水深の表示方法、関連情報について解説します。

水深の定義

広義の水深は、測定地点における水面から底面までの距離を指します。ただし、川などの水面の高さを表す「水位」は、観測所が定めた基準面からの高さであり、水深とは必ずしも一致しません。

海図における水深表示

各国で発行される海図は、国際水路局が定めた基準に基づいて作成されています。海上保安庁などが製作する海図における水深表示の基準面は、「略最低低潮面」と呼ばれる、最も潮が引いたと想定される水面です。これは、「それより浅いことはない」という安全性を重視した表示方法です。大きく潮が引いたとしても、海図に表示された水深以上の深さが確保されます。

海岸線は、略最高高潮面より上に出ている部分の境界線を指します。干潮時に水面から現れる部分は「干出」と表示され、干出岩や干出浜として区別されます。

海図上の地上物の高さは、東京湾中等潮位（T.P.）を基準としています。したがって、地上物の高さと海底の間の距離を計算する際は、東京湾中等潮位と略最低低潮面の差を考慮する必要があります。

等深線

水深が等しい地点を結んだ線を等深線といいます。海図では、以下の水深で等深線が表示されます。

2メートル（二点鎖線）
5メートル（破線）
10メートル（一点鎖線）
20メートル（二点鎖線）
200メートル（二点鎖線）

水深は、海図に斜体の数字で示されます。水深の表示桁数は以下の通りです。

21メートル未満：1デシメートル単位（端数は切り捨て）
21メートル以上31メートル未満：5デシメートルごとに切り捨て
31メートル以上：1メートル未満の端数は切り捨て

地形図における湖沼水深

測量法に基づき国土地理院などが製作する地形図では、湖沼水深は湖沼の水面から測定されます。湖沼の水面の標高は、東京湾平均海面を基準としています。地形図における海岸線は、最高海面より上に出ている部分の境界線を指し、干潮時に水面から現れる部分は隠顕岩または干潟として表示されます。

水深を表す単位

尋 - ファゾム

参考文献

沓名景義・坂戸直輝著『海図の読み方』舵社、昭和55年3月

関連項目

水深測量
測深儀
音響測深
潮汐
航海
海面ミクロ層
深海
浅瀬
岩礁
ラグーン
* 干潟

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