永坂吏羅

永坂 吏羅（ながさか りら）

日本のキックボクサー。1998年12月8日生まれ、宮崎県都城市出身。K-1 GYM SAGAMI-ONO KRESTに所属し、主にスーパーフェザー級（-60kg）の階級で活躍しています。

来歴とバックボーン

永坂は、K-1の伝統的な名門ジムであるKRESTで格闘家としての基盤を築きました。2018年にプロキャリアを開始。彼のファイトスタイルは、テコンドーや空手で培った豊富な実績に裏打ちされており、特に鋭い蹴り技と持ち前のスピードを武器としています。アマチュア時代には、全日本テコンドー選手権大会での2連覇（この際にMVPを獲得）や、全九州選手権での7回優勝といった輝かしい成績を残しています。これらの経験が、プロのリングでの彼の個性的な戦い方に繋がっています。

プロ転向後は、KO勝利を重ねることで、独自の存在感を示すファイターとして頭角を現しました。2023年にはKrushのリングで再び勢いを取り戻し、続く2024年にはK-1 WORLD MAXといったメジャーな舞台への参戦も果たしています。しかし、彼のキャリアが最も注目を集める転換点を迎えたのは、2025年の出来事でした。

反体制ユニット「RibelLion」への電撃加入

2025年3月14日、永坂はレオナ・ペタスが主宰した記者会見の場に突如として登場し、自身が反体制を掲げるユニット「RibelLion（リベリオン）」に加わることを表明しました。この加入は多くの関係者やファンに衝撃を与え、彼の名前は格闘技界全体に広く知られるようになりました。

会見の場で、永坂は同じK-1の選手である大久保琉唯に対し、強い言葉で批判を展開し、同年5月に予定されていた横浜大会での対戦を公然と要求しました。この際の発言は非常に過激で、「甘いものばっか食ってるお前に、パンチ見舞ってK-POPに行かせてやるよ」といった挑発的な言葉を用いたほか、「マンボウメンタル」や「DV気質」といった独自の表現で相手を揶揄し、大きな物議を醸しました。

人物像と思想

永坂は、自身の活動を通じて「外に出るより中から変える」という理念を強く打ち出しています。彼は、格闘技の世界は「反感や批判に晒されても、なお戦い続ける者だけが残る世界だ」という持論を展開しており、その厳しい認識が彼の言動の根底にあると見られます。

K-1の記者会見などで見られる形式的な発言の慣習に異を唱え、ファイター個々の個性や真意をもっと積極的に発信すべきだと主張しています。さらに、単なる選手としての視点だけでなく、イベントの経営や運営といった側面からの改善提案にも言及するなど、多角的な視点を持っていることを示唆しています。彼の入場曲には、M.O.P. ft. Busta Rhymes, Teflon, Remy Martinによる「Ante Up Remix」を使用しており、その選曲にも彼の反骨精神や力強さが表れています。

SNS活動と話題性

現代の格闘家にとって重要な自己プロモーションの場として、永坂は特にX（旧Twitter）での発信に力を入れています。自らを「俺の主戦場はXだ」と公言するほど、SNS上での活動に積極的です。そこでは、レオナ・ペタス、平本蓮、皇治、あるいはブレイキングダウンに出場する選手たちといった著名な格闘家たちと、しばしば辛辣な言葉を交わす「レスバトル」を展開し、多くのフォロワーやメディアの注目を集めています。

また、彼は「敗者髪切り＆刺青マッチ」といった奇抜な対戦形式の提案や、「格闘家は派手なブランド品よりもユニクロを着るべきだ」といった独自の価値観に基づく提言など、様々な話題を積極的に提供することで、常に格闘技ファンや世間の関心を引きつけています。これらのSNSでの活動と、RibelLion加入以降のリング内外での過激な言動、そして既存の体制に対する批判を恐れない姿勢により、永坂吏羅はK-1という大きな組織の内部から変化を促そうとする、ある種の象徴的な存在と見なされています。

彼の存在は、単なる一ファイターとしてだけでなく、格闘技界における新たな論客、あるいは既存の枠にとらわれない表現者としても注目を集めています。今後の彼のリング上での活躍に加え、SNSや会見の場での発言が、どのように格闘技界に影響を与えていくのかが注目されています。

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