江戸川競艇場

江戸川競艇場について

江戸川競艇場（えどがわきょうていじょう）は、東京都江戸川区東小松川三丁目に位置するボートレースの開催地です。この競艇場は全国で唯一、河川の水面を利用している特徴があります。1955年の初開催以来、競艇ファンに愛され続けていますが、競走水面としては実際のレースは中川で行われています。

名称と運営

競艇場は2010年度以降、通称として「BOAT RACE江戸川」を使用しています。2015年度からは公式名称を「江戸川ボートレース場」に改めました。運営は東京都六市競艇事業組合と東京都三市収益事業組合が担当し、多くの自治体から構成されています。特筆すべきは、施設のオーナーが関東興業であり、これは東京都内の競艇場の中で、鉄道関連の資本に依存していない唯一の企業です。また、江戸川競艇場は日本最東端の競艇場でもあります。

競走プラン

江戸川競艇場では、正月に新春金盃、ゴールデンウィークにゴールデンカップ、お盆に大江戸賞、年末に京葉賞といった主要な競走が行われています。さらに企業杯としてアサヒビールカップも開催されており、例年6月にはGI競走に類する江戸川大賞が行われます。過去には「全日本モーターボートグランプリ」というタイトルもありました。

水面の特徴

江戸川競艇場の水面は、自然の河川を利用している点で他の競艇場と一線を画しています。実際には人工河川の中川放水路で、海に近い位置にあるため水質は汽水であり、風の影響を受けることが多いのです。このため、レース中止が頻繁に発生し、選手たちにとっても難しい水面として知られています。特にインコースの勝率が低く、アウトからの逆転が多発するため、戦略が一層重要視されています。

競技の様子

江戸川水面は選手に特異な経験をもたらします。特に潮流や風の影響を受けるため、レースの状況が目まぐるしく変化します。過去には進入のスタイルが3対3の枠に固まることが多く見られましたが、選手同士の暗黙の合意に基づくものであるとも言われています。また、別名「江戸川巧者」として活躍する選手もいて、特異な水面の得意不得意が結果に大きく反映されます。

施設の特徴

江戸川競艇場には大型の映像装置がなく、スタンドの構造上も工夫が求められています。観客は小型映像装置を使ってレースを観覧することになりますが、周囲の構造物によって見えづらい場合もあります。また、スタンドと水面の間に道があり、観戦の際は一旦堤防を登る必要があります。更に、競艇場内では外向発売所が設けられており、全国最大の投票機能を整えています。

トピックスとエピソード

江戸川競艇場は数々の珍事件や不祥事にも見舞われました。特にレース中のアクシデントや水面上のトラブルは多く、それが結果に影響を与えることも少なくありません。1988年には、職員による不正が発覚し、競艇場自体の開催が中止に追い込まれたこともありました。

アクセス

アクセスは多様で、都営地下鉄新宿線の船堀駅からの無料送迎バスが運行されています。また、車利用の場合の各種料金所も近く便利です。施設へのアクセスが良好なことも、来場者にとって大きな魅力の一つです。

江戸川競艇場は、これからも競艇ファンにとって特別な場所であり続けることでしょう。

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