沈黙の戦艦

沈黙の戦艦（Under Siege）

『沈黙の戦艦』は、1992年に公開されたアメリカのアクション映画で、監督はアンドリュー・デイヴィスが務めました。スティーヴン・セガール主演、この映画は彼の代表作となり、また、トミー・リー・ジョーンズが悪役を演じ、その演技も評価されました。この映画は、海軍の戦艦がテロリストに占拠されるという設定で、元海軍特殊部隊の指揮官であるケイシー・ライバックが艦を取り戻すために戦う姿が描かれています。

あらすじ

物語は、退役が近づくアメリカ海軍のアイオワ級戦艦「ミズーリ」が最後の航海をしているところから始まります。艦のコック長として勤務するケイシー・ライバックは、艦長のJ・T・アダムス大佐の誕生日を祝い、食事の準備をしようとしています。しかし、彼は管理職のピーター・クリル中佐とのトラブルに巻き込まれ、彼に反抗してしまいます。その結果、クリル中佐はライバックをキッチンの保冷倉庫に閉じ込め、艦内はサプライズ・パーティーの計画で盛り上がっています。

ところが、このパーティーの背後には、元CIA工作員のウィリアム・ストラニクスが指揮するテロリスト集団の企みがありました。彼らは本物のロックバンドやケータリング業者に偽装して艦に侵入し、最終的には船員たちを拘束し、艦長を殺害してしまいます。彼らの目的は、艦に搭載されている核弾頭搭載のトマホークミサイルを奪い、ブラックマーケットで売却することでした。

ライバックの戦い

逃げ出したライバックは元ネイビー・シールズの指揮官であり、即席で自らの武器を作り出して戦う能力を持っています。艦内での混乱の中、彼はプレイメイトのジョーダン・テートと出会い、共に艦の再奪取を決意します。彼らはテロリストの手から仲間を救うために戦いを続け、ライバックの指導の下、艦を取り戻すために奮闘します。

一方、テロリストのリーダーであるストラニクスは、国防総省に「ミズーリ」を占拠したことを通告し、海軍は彼に対抗するため特殊部隊を派遣しますが、テロリストの武器により撃墜されます。こうした緊迫した状況の中で、ライバックは仲間たちと共に戦います。

クライマックス

映画のクライマックスでは、ライバックがストラニクスと一騎打ちし、その際にストラニクスは無様に敗北します。ライバックはトマホークミサイルを空中で自爆させ、艦内の乗員は無事救出されます。物語は、ミズーリ艦上でアダムス艦長の葬儀が行われるシーンで締めくくられ、彼の死を悼むライバックたちの姿が描かれます。

映画の評価と影響

本作は公開当初から大ヒットを記録し、興行収入も非常に好調でした。また、『沈黙の戦艦』は「戦艦のダイ・ハード」とも称され、アクション映画の金字塔として位置付けられる作品となりました。アカデミー賞では音響効果編集賞と録音賞の2部門にノミネートされ、多くの批評家からも高評価を得ています。

さらに、映画は後の『逃亡者』の製作にも影響を与え、スティーヴン・セガールのキャリアにおいても重要な役割を果たしました。特に、『沈黙の戦艦』の成功は、その後のアクション映画においても模倣される要素を多数残しました。

結論

『沈黙の戦艦』は、単なるアクション映画に留まらない深みを持った作品であり、正義が勝つという普遍的なテーマも後押ししています。35周年を迎えた今も、セガールのファンやアクション映画の愛好者にとって、忘れることのできない名作として大切にされています。

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