沖縄県立図書館

沖縄県立図書館：琉球・沖縄の文化と歴史を伝える拠点

沖縄県立図書館は、沖縄県那覇市泉崎のカフーナ旭橋A街区3～6階に位置する、沖縄県を代表する公立図書館です。87万冊を超える豊富な蔵書を誇り、そのうち35万冊以上が琉球・沖縄に関する郷土資料で構成されています。沖縄の文化や歴史を深く理解するための貴重な資料を網羅しており、同種の施設としては国内最大規模を誇ります。

多様なニーズに対応する充実の施設

図書館は、3階から6階までの4フロアで構成されています。3階には総合カウンター、展示エリア、子ども向けの読書活動推進エリア、読書サポート室などを配置し、来館者の多様なニーズに対応できるよう配慮されています。4階には一般図書エリア、ビジネスエリア、情報エリア、多文化エリアがあり、幅広いジャンルの書籍や情報資源を提供しています。5階は郷土資料室となっており、沖縄の歴史や文化に関する貴重な資料を閲覧することができます。6階は書庫となっており、膨大な蔵書が保管されています。

歴史を刻む図書館：戦前からの軌跡

沖縄県立図書館の歴史は古く、1910年（明治43年）8月1日に沖縄県庁敷地内に「沖繩縣立沖繩圖書館」として開館したのが始まりです。初代館長には、沖縄研究の第一人者である伊波普猷が就任しました。その後、八重山通俗図書館（のちの八重山図書館）や宮古簡易図書館（のちの昭和図書館）なども設立され、沖縄各地で図書館活動が展開されました。

第二次世界大戦中の沖縄戦では、沖繩圖書館は空襲によって壊滅的な被害を受け、約3万冊の図書資料が焼失するという大きな損失を被りました。戦後のアメリカ統治期には、沖縄中央図書館が設立され、いくつかの分館が設置されました。琉球政府時代を経て、1972年（昭和47年）の日本復帰に伴い、沖縄中央図書館は沖縄県立図書館と改称されました。

1983年には現在の建物の前身となる新館が建設されました。その後、情報化の進展や社会情勢の変化に対応するため、図書館システムの更新やデジタル化の取り組みが積極的に進められました。

2018年には、カフーナ旭橋への移転を果たし、最新の設備と快適な空間を備えた現在の図書館が誕生しました。

分館の変遷と閉館

かつては、宮古島市に宮古分館、石垣市に八重山分館が存在していました。しかし、行財政改革プランに基づき、両分館の廃止が検討され、2010年と2012年に閉館しました。宮古分館の蔵書は、宮古島市未来創造センターに引き継がれ、八重山分館の蔵書の一部は石垣市立図書館に移管されました。分館の廃止は、地元住民からの反対の声も上がりましたが、結果的に地方自治体の図書館整備の方向性を示す事例となりました。

利用案内

開館時間は午前9時から午後8時まで、休館日は毎週火曜日、年末年始、特別整理期間です。詳細は公式サイトでご確認ください。那覇バスターミナル直上、ゆいレール旭橋駅と連絡通路で直結しており、アクセスも良好です。ビルの共用駐車場も利用可能です。

まとめ

沖縄県立図書館は、沖縄の文化・歴史を伝える重要な役割を担うとともに、現代社会のニーズに応える多機能な施設として、地域住民に広く利用されています。その歴史と変遷、そして充実した施設は、沖縄を訪れる人々にとっても魅力的な存在となっています。今後も、沖縄の貴重な文化遺産を保存し、次世代へと継承していく拠点として、その存在感を増していくことでしょう。

もう一度検索