泉パークタウン

泉パークタウン：仙台を代表するニュータウンの半世紀

誕生の背景と開発

1960年代後半の仙台市は、人口急増による住宅不足と郊外の未整備な道路網という課題を抱えていました。東北新幹線計画による発展への期待感も相まって、北部地域ではニュータウン開発が活発化する一方、乱開発も懸念されていました。

そんな中、三菱地所は1969年、仙台市泉区黒川丘陵の広大な土地に着目。約1,074haという広大な面積を有する、民間のニュータウンとしては日本最大規模の開発に着手しました。用地買収は、薪炭林や水源涵養林が多かった土地柄、所有者の理解と灌漑用水路整備の約束が功を奏し、異例のスピードで進みました。

開発計画は、住宅地にとどまらず、工業団地、ゴルフ場、商業施設、学校などを備えた、自立した都市を目指した画期的なものでした。建設省、宮城県、東北農政局との調整を経て、1973年に開発許可が下り、翌年から分譲が開始されました。

発展と課題

当初はオイルショックの影響や街の機能整備の遅れから入居は伸び悩みましたが、商業施設の開設や公共交通機関の乗り入れ、学校設立などが進むにつれて、入居世帯は増加。1997年には紫山地区の分譲を開始するなど、順調に発展を遂げました。

しかし、近年では、特に初期の分譲地区では少子高齢化が顕著となり、学校の児童数減少などの課題も浮上しています。これは、他の郊外住宅地でも見られるドーナツ化現象の一端であり、中心部への回帰という都市構造の変化が背景にあります。

多様な機能とゾーニング

泉パークタウンは、「住居ゾーン」、「タウンセンター」、「スポーツ・レクリエーションゾーン」、「インダストリアルパークゾーン」という4つのエリアにゾーニングされ、それぞれが独自の機能を担っています。

住居ゾーンは、高森、桂、寺岡、紫山、朝日地区の5地区6住区からなり、緑豊かな環境と多様な住居形態が特徴です。

タウンセンターには、ホテル、図書館、ショッピングモール、医療機関などが集積し、地域住民の生活を支えています。

スポーツ・レクリエーションゾーンには、ゴルフ場、テニスクラブ、サッカー場などがあり、スポーツやレジャーを楽しむことができます。

インダストリアルパークゾーンは、多くの企業が進出し、仙台都市圏の経済を支えています。環境にも配慮した設計がなされている点も特徴です。

また、サイエンスパークには、研究機関や教育機関が集積しています。

交通アクセス

泉パークタウン内には、コミュニティバスが運行され、地下鉄南北線泉中央駅へのアクセスが良好です。また、主要道路である北四番丁大衡線、泉ヶ丘熊ヶ根線も整備され、仙台市中心部へのアクセスも改善されています。

まとめ

泉パークタウンは、計画的な都市開発と、自然との調和を追求したニュータウンとして、半世紀以上にわたって発展を続けています。少子高齢化や都市構造の変化といった課題も抱えつつありますが、スマートタウン化への取り組みなど、未来を見据えた取り組みも積極的に行われています。今後も、仙台を代表するニュータウンとして、その役割を果たしていくことでしょう。

受賞歴

1998年度：都市景観100選
2013年度：日本不動産学会業績賞
* 2014年度：土木学会デザイン賞

もう一度検索