洗面器

洗面器とは

洗面器（せんめんき）は、主に顔や手を洗うための器具として使用される容器です。携帯性のある洗面ボウルと呼ばれるタイプと、洗面台に据え付けられるものがあります。後者は手洗器や取付用洗面器と名前を変え、防水機能果たしています。

歴史

洗面器が一般家庭で用いられるようになったのは、鎌倉時代からとされています。初期の洗面器は陶器やサクラ材の曲物が主流でしたが、明治時代に入り、真鍮やアルミ製、琺瑯（ほうろう）加工されたものが広く普及しました。近年では、合成樹脂製の軽量なものが多く流通しており、便利さからも人気があります。

種類

洗面器には様々な形状の設計があります。取付用洗面器は、主に壁掛け型、ペデスタル型、および化粧洗面台として設けられています。壁掛け型は角型や隅付きなどのデザインが豊富です。これらの洗面器を設置した場所は、洗面台（せんめんだい）や化粧台（けしょうだい）、さらには洗面所（せんめんじょ）の名称になります。

構造

多数の取付用洗面器は、陶器や琺瑯製であり、給水や排水設備と一体化する設計が施されています。壁に取り付けるタイプでは、ブラケットで固定され、構造上、奥の部分は「バック」、端は「袖」と呼ばれています。この洗面器は、通常水栓穴、ポップアップ穴、鎖取付穴が開いており、機能性に優れています。

給水は水栓穴からおこなわれ、その上部に水栓（蛇口）が設置されています。これにより、手動または自動で温水や冷水が出る設計になっています。衛生面を考慮して、触れずに使用できる赤外線感知式自動水栓も普及しています。加えて、排水口は栓を用誌て湯水をためることができ、操作に応じて開閉可能です。

さらに、洗面器の上部には溢れた水を防ぐための補助排水口であるポップアップ穴が設けられています。排水はトラップを通じて下水へ導かれます。

付加機能

洗面器には、鏡や棚を備えたタイプも多くあり、収納を考慮したキャビネットデザインも存在します。特に小さな住宅や1-2人用の便所には、便器の給水タンク用の水栓を洗面器に接続している場合もあります。

また、寝台車やキャンピングカーでは、限られたスペースを有効活用するために、テーブルと兼用のデザインも見られます。名所や公共施設のトイレには、複数の人が使用できる大型洗面器が設置されていることもあります。

まとめ

洗面器は日常生活に欠かせない衛生器具の一つであり、その歴史や進化は多様で豊かです。現代社会では、機能性だけでなく美しさや快適性も追求されており、私たちの生活空間で欠かせない存在となっています。

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