流域治水

流域治水について

流域治水とは、国土交通省が提唱する水災害への対応策の一つであり、気候変動により増加する水災害に適切に対処することを目的としています。この概念は、単に堤防やダムの建設だけでなく、それを取り巻く地域や関係者の協力を基盤とし、雨水が河川へ流れ込む集水域から、氾濫の危険がある氾濫域にわたって包括的に対策を講じることを重視しています。

背景

近年、世界中で気候変動の影響が顕著になり、特に日本は豪雨や台風による水災害の被害が増加しています。これらの現象に対応するためには、従来の治水対策を見直し、流域全体での視点からアプローチすることが必要です。岸由二氏がこの考えを提唱し、その後、国土交通省において具体化されました。

流域治水プロジェクト

流域治水の取り組みを実現するために設立されたのが「流域治水プロジェクト」です。このプロジェクトでは、国と地方自治体、さらには民間企業が一丸となって治水対策を推進しています。具体的には、河川の整備に加え、雨水を貯留・浸透させる設備の導入や土地利用の規制、さらには利水ダムの事前放流に関する施策が挙げられます。

2021年3月30日には、全国109の一級水系を対象に119のプロジェクトが策定され、その後12の二級水系についても12のプロジェクトが公表されました。これにより、日本国内での治水対策の全体像が明確に示され、地域ごとに重点的に進めるべき施策が整理されています。

目指す姿

流域治水の基本となる考え方は、単独の事業ではなく、流域全体を通じての協働です。各地域は、その特性やリスクに基づいた治水計画を策定し、お互いの取り組みを支援し合うことが求められています。これにより、水害のリスクを軽減し、地域住民の安全を確保することが最終的な目標となります。

参考リンク

流域治水は、気候変動がもたらす課題に立ち向かうための重要な取り組みです。各地域が協力し合うことで、より効果的な水災害対策が実施されることが期待されます。

もう一度検索