流砂

流砂について

流砂（りゅうさ）は、水分を多く含むもろい地盤の一種です。この現象は、何らかの圧力が加わることによって地面が崩れてしまうことを指します。具体的には、砂や泥、粘土といった粒子が地下水によって飽和すると、流砂が形成されるのです。一見すると普通の地面に見えることが多いですが、実際には危険な特徴を持っています。

流砂の特性

流砂の大きな特徴は、非常に高い比重を持っているため、人間が浮くことができる点です。水よりも比重が高いため、流砂に沈むことは通常ありません。ただし、圧力がかからなければ立っている間は簡単には沈み込まないのです。しかし、その流動性から急に動いたりもがくと、逆に沈んでしまう危険があるため注意が必要です。このような流砂は、一般的に深さ1メートル前後であり、それ以上深い場合でも、浮力によって簡単には完全に没することはありません。

危険性

流砂における最も危険な点は、場所によっては物体を引き出すのが難しいということです。静止状態ではほぼ土砂のように振る舞うため、流砂に取り込まれた際には非常に大きな力が必要になります。つまり、長時間立ち往生すると、疲労や飢餓、洪水などの二次的な災害にも巻き込まれる危険性があります。特に流動している流砂は、水や洪水と同じかそれ以上の危険を有しています。

流砂が発生する場所

流砂は川岸や沼地、海岸近くなど、湿った地域でよく見られます。底なし沼という名称で知られる沼が流砂を引き起こすことがあり、また湿原では「ヤチマナコ」といった呼称で流砂に似た状態が確認されています。地震などによって地中の水が圧力を受けることでも流砂が発生し、これにより建物が押し潰されることもあるのです。

知名度の高い流砂の場所

特に危険な場所として知られているのがイギリスのモアカム湾です。この湾は不規則に干潮と満潮が繰り返されるため、干潮時に流砂に閉じ込められた人が、満潮の際に水面下に取り残される危険があります。1988年にはアラスカで流砂に捕らわれた女性が満潮によって命を落とす事故も発生しました。

流砂による地形の変化

流砂は水流や河川の動きによっても影響を受けます。流れの中で砂や土砂が運ばれ、堆積を繰り返すうちに河口の形状が変わることがあります。流砂は掃流力によって移動し、掃流砂や浮遊砂に分類されます。流速が遅い場合は、なかなか沈殿しないため、河床との交換が困難な状況ともなります。

流砂は、一見すると安全に思える地面ですが、実際には多くの危険を孕む自然現象です。その特性や危険性を理解しておくことが、十分な対策を講じるために非常に重要です。

もう一度検索