流行性角結膜炎

流行性角結膜炎について

流行性角結膜炎（りゅうこうせいかくけつまくえん）とは、ウイルスが原因で発生する急性の目の病気です。この病気は「はやり目」とも呼ばれ、非常に強い感染力をもっています。主にアデノウイルスの一部、特に8型、19型、37型によって引き起こされますが、まれにB群やE群の他の型でも感染することがあります。かつては夏にプールを介して広がる病気とされていましたが、最近では一年中発症が確認されています。

原因と症状

流行性角結膜炎には約1～2週間の潜伏期間があり、その後急激に症状が現れます。主な症状としては、結膜炎と角膜炎が同時に起こり、目の充血、眼脂（めやに）の排出、涙目、まぶたの腫れ等が挙げられます。多くの場合、片目に感染が起こった後、4〜5日で反対の目にも症状が現れます。また、重症化すると耳前のリンパ節が腫れることがあります。

結膜炎の症状

• - 目が充血し、眼脂が多く出る。
• - ひどい時には眼脂のせいで目を開けられないことも。
• - 片目から始まり、数日後にもう片方の目に移る。
• - 涙目やまぶたの腫れが生じ、視力に影響を及ぼすこともある。
• - 重症の場合、まぶたの裏に白い膜ができ、目の結膜同士が癒着する可能性もある。
• - 症状は約2～3週間続くことが一般的。

角膜炎の症状

• - 透明な角膜に小さな混濁が現れ、眼痛を感じる。
• - 光に対する感受性が高まり、視力が低下することがある。
• - 角膜びらんが起こると、目が異物感を伴い、激しい眼痛を引き起こすことも。症状は数か月から最長で1年続くこともあります。

診断と治療

流行性角結膜炎の診断は、ウイルス性、細菌性、アレルギー性の結膜炎の症状が類似しているため初期段階では難しいことがあります。現代の迅速診断方法を用いることで、早期に確認できるようになってきていますが、陰性であっても確定的ではないため、数日経過観察が必要です。

治療薬はなく、主に充血や炎症を抑えるためにステロイドの点眼が行われます。細菌の混合感染を伴う可能性がある場合には抗菌剤が使用されます。特に新生児や幼児の場合、感染によって角膜穿孔が生じる危険性があるため、注意が必要とされています。

感染予防

流行性角結膜炎は主に接触感染で広がります。手を介してウイルスが他の人に感染するため、注意が必要です。予防策としては、手をよく洗い、顔や目に手を触れないことが重要です。また、病気が治ったように見えても、しばらくの間は外出を控えるべきです。

医療的見地

流行性角結膜炎は、日本の感染症法に基づき感染症として定義されており、特定の臨床症状がある場合は医療機関へ報告を行う必要があります。この病気の流行時には、家庭内や学校での感染拡大を防ぐ措置が求められます。特に医療従事者が感染した場合には、患者への二次感染を引き起こすリスクがあるため、細心の注意が必要です。しっかりとした感染予防策を講じて、この感染症から身を守りましょう。

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