浜面仕上:レベル0のヒーローの軌跡
浜面仕上は、
鎌池和馬氏による
ライトノベル『とある魔術の禁書目録』シリーズにおける主要人物の一人です。アニメ版では
日野聡氏が担当声優を務めています。彼は、学園都市の暗部で生きる、一見どこにでもいるような平凡な青年です。しかし、その平凡さの裏には、並外れた勇気と、愛する者を守るための揺るぎない信念が秘められています。
容姿と性格
浜面は、ぼさぼさの茶髪にラフな私服という、特徴の少ない容姿をしています。スキルアウトに所属していた頃は鼻
ピアスをしていたものの、
上条当麻との出会いを境に外見上の変化も少ないまま、内面的な成長を遂げていきます。
性格は、不良でありながら臆病な面も持ち合わせています。スキルアウトのリーダーになったのも、本人の意思というよりは、周囲の成り行きだったと語っています。しかし、御坂美鈴の暗殺未遂事件をきっかけに
上条当麻の影響を受け、恋人である滝壺理后を守るためなら、危険を顧みず立ち向かう勇気を持つようになります。
スキルアウト時代は、凡人であることにコンプレックスを抱いていましたが、新生「アイテム」の一員となってからは、平凡な日常にこそ価値を見出すようになります。エイワスからは、「誰にも選ばれず、特別な能力を持たなくても、たった一人の大切な者のためにヒーローになれる者」と評されており、その言葉は彼の成長物語を象徴していると言えるでしょう。
一方で、敵であっても必要以上に気遣う
上条当麻とは対照的に、浜面は守りたいものを守るためなら手段を選びません。犯罪、拷問、殺人すらも辞さない決意を持ち、その執着心は時に残酷なまでに突き進みます。バードウェイの評価では、「守りたいもの"の"守りたいものも守る」という、自己犠牲を厭わない彼の精神性が示されています。
一見すると目立たない存在ですが、一方通行やクリファパズル545からは、「
ソースコードに紛れ込んだ致命的なエラー」のような特異性があると評されています。また、誤送信した
バニーガールのエロ動画からバニーフェチと思われていますが、実際は滝壺のバニー姿に鼻血を出すほどの純情な一面も持ち合わせています。
生活と人間関係
本編開始の数ヶ月前、浜面はスキルアウトに所属し、駒場利徳や半蔵らと共に資金集めの強盗や不良行為に手を染めていました。しかし、上条との出会い、そして滝壺理后との出会いを経て、彼の生き方は大きく変わっていきます。
「アイテム」では当初、雑用として扱われていましたが、第三次世界大戦後に正規構成員となります。それでも、麦野沈利や絹旗最愛からは、ドリンクバーの往復係などの雑用を押し付けられるなど、以前と変わらぬ扱いをされていますが、険悪な仲ではありませんでした。麦野とは滝壺への扱いを巡って対立し、幾度も死闘を繰り広げますが、ロシアでの出来事をきっかけに和解します。
滝壺理后とは、当初は上司と部下の関係でしたが、「スクール」との抗争で滝壺の優しさに触れ、惹かれるようになります。以降、滝壺を守るために身を挺して戦い、19巻では恋人関係となります。彼は滝壺を深く愛し、彼女の体晶の副作用治療のために自分の身も犠牲にしようとするほどです。
スキルアウト時代からの友人である半蔵とも良好な関係を続け、情報交換や互いの身を案じるなど、友情を育んでいます。また、黄泉川愛穂やフレメア、さらには「ドラゴンライダー」の操縦支援ソフトであるアネリとも、それぞれの関わりの中で信頼関係を築いています。
作中での活躍
浜面の初登場はSS1巻(13巻の後日談)です。その後、彼は数々の事件に巻き込まれ、レベル5の超能力者と渡り合うなど、数々の活躍を見せています。一方通行、麦野沈利、さらには「新入生」や「グレムリン」といった強力な敵と戦いながらも、彼は持ち前の機転と勇気、そして周囲の協力によって生き延び、成長を遂げていきます。
彼の行動は、常に愛する者を守るため、そして大切なものを守るために行動します。時に危険な手段を選ぶこともありますが、彼の行動の根底には、揺るぎない正義感と、誰かを想う強い心が存在しています。
戦闘方法と武装
浜面はレベル0の無能力者であるため、直接的な攻撃能力はありません。しかし、長年の鍛錬で高い身体能力を身につけ、周囲の状況を巧みに利用した戦いを得意としています。伸縮式の警棒や
拳銃などの武器、そして機転を利かせたハッタリや心理的な罠を駆使し、数々の危機を乗り越えてきました。
まとめ
浜面仕上は、一見平凡な青年ですが、その裏には並外れた勇気と、揺るぎない信念が隠されています。レベル0の無能力者でありながら、愛する者を守るために戦い続ける彼の姿は、多くの読者に感動と勇気を与える存在です。彼の成長物語は、『とある魔術の禁書目録』シリーズにおける重要なテーマの一つであり、物語全体に深みを与えています。