海技士

海技士とは

海技士（かいぎし）は、主に大型船舶の運航に携わる職員が取得すべき国家資格のことを指します。この資格は「船舶職員及び小型船舶操縦者法」に基づいており、資格を証明するためには公文書「海技免状」が必要です。海技士は小型船舶操縦士と同様、海上での業務に携わる技術者として位置づけられますが、20トン未満の船舶を運航する際には、海技士のみではなく、別途小型船舶操縦士の免状が求められます。

海技士免許の区分

大型船舶における職員には、船長、航海士（甲板部）、機関長、機関士（機関部）、通信長、通信士（無線部）が含まれます。これらの職務に従事するためには、適切な海技士の資格が必要です。通常、大型船舶には必ず甲板部が設けられているため、海技士（航海）の資格は必須ですが、帆船など機関を持たない船舶の場合、機関部の資格は不要となります。また、無線部のみが必要な船舶もあるため、それに応じた資格の選択が重要です。

制度全般

職員法では、船舶の種類や航行するエリアにより必要な海技士の種類と等級が定められています。艦長や職員、部員に該当する者が必要な免許を持たない場合、船舶職員としての業務に従事することはできません。また、海技士の資格を持っていても、すべての船舶で業務を行えるわけではなく、資格により業務範囲が制限されることがあります。

例えば、20歳未満の者は船長や機関長としての乗組みができず、無線従事者資格が必要な航海士は適切な資格を持たなければなりません。履歴や資格の制限によって、特定の船舶にしか乗り組むことができない場合も存在します。さらに、同一の職務に対して異なる部署を兼任することも可能であり、このような兼任に関する規定は職員法によって詳しく定められています。

海技士の資格とその乗り組み

各種の海技士免状には、甲板部、機関部、無線部に関する資格が設定されており、それぞれの船舶の種類に応じた役割を担うことができます。海技士（機関）の資格を有する者は、沿海区域外の航行が必要な船舶に乗組むことができ、海技士（通信）の資格が必要な者は、規定された無線技術を持つ船舶での通信長として働くことが認められています。一方、小型船舶においても、職種に応じた適切な資格を取得している必要があります。

小型船舶における内容

小型船舶においては、特定の海技士の乗務が求められ、機関長や通信長の役割を担うためには、それぞれの資格が必要とされます。加えて、海技士（通信）や海技士（電子通信）の資格を持つと、小型船舶の運航中に特定の通信業務を行うことができるため、航海の安全性が高まります。

乗船履歴と資格取得

海技士免状の取得には、一定の船舶に乗り組んだ履歴が必要であり、小型船舶操縦士や各種の海技士資格の併有は、その業務において求められる資格を満たすための手段でもあります。履歴が不十分である場合、資格に対して制限が課せられることがあり、乗船履歴を基に次回免状更新時に必要な職歴を証明することが求められます。

このように、海技士は海上で安全に業務を行うために必要不可欠な資格であり、その取得や維持には多くの定めや条件が設けられています。

もう一度検索