清須市立図書館

清須市立図書館：地域に愛される図書館の軌跡

清須市立図書館は、愛知県清須市に位置する公共[[図書館]]です。2012年7月7日、清須市発足7周年を記念して開館しました。その歴史は、旧4町（西枇杷島町、清洲町、新川町、春日町）の合併と深く関わっています。合併前の各町には図書館法に定められた図書館がなく、公民館図書室のみが設置されていました。蔵書数や年間図書購入費は周辺自治体と比較しても少なく、図書館環境は決して良いとは言えませんでした。

市民からの図書館設置の要望は強く、市による調査や意見箱への投稿でもその声が多数を占めていました。そこで、旧4町の図書室を統合し、新たな図書館の建設が決定。はるひ美術館が隣接する、清須市夢広場はるひに、全面改修された保健福祉センターの建物を利用して図書館が建設されました。約4億円を投じた改築工事は2012年3月に完了し、7月7日に清須市立図書館が開館しました。

開館からの発展と特色

開館当初から、清須市立図書館は市民に広く利用される図書館となりました。開館5ヶ月後には来館者数10万人を突破し、その後もその勢いは衰えることなく、多くの市民が図書館を訪れています。

図書館は、児童向けフロアと一般向けフロアに分かれています。児童フロアには、読み聞かせなどを行う「おはなしのへや」やプレイルーム、授乳室が設置され、子どもたちが安心して過ごせる空間が確保されています。一般向けフロアには、地域資料室、レファレンスカウンター、研修室などが整備されています。

清須市立図書館の特色として、地域に密着した活動が挙げられます。地元企業との連携によるイベントや、地元の伝統野菜を図書館で育てる取り組みなど、図書館が地域社会と積極的に関わることで、市民の図書館への親しみと利用意欲を高めています。

具体的には、キリンビール名古屋工場が近隣にあることから、「ビールに日本一詳しい図書館」を目指し、ビールに関する書籍を集めたコーナーを設置したり、ビールの楽しみ方講座を開催するなど、ユニークな取り組みを行っています。また、地元の漫画家アシスタントによるイラスト展示や、地元スポーツチームとの連携イベントなども開催されています。これらの活動は、図書館を単なる蔵書保管場所ではなく、地域交流の拠点として位置づける試みと言えるでしょう。

さらに、デジタルアーカイブシステムを用いた「清須市地域資料アーカイブ」の公開や、歌舞伎・演劇コメンテーターからの貴重な公演プログラムの寄贈など、デジタルとアナログ両面から地域文化の保存・伝承にも貢献しています。

図書館の現状と未来

2018年度末時点の蔵書数は14万5,998点、貸出点数は27万1,371点に上り、市民一人当たりの貸出冊数は3.9冊に達しています。これは、図書館が市民生活に深く根付いていることを示しています。

清須市立図書館は、開館以来、地域住民にとって欠かせない存在となっています。これからも、地域に根ざした活動を展開し、市民の知的好奇心と文化活動を支える存在として、その役割を果たしていくことでしょう。 サービスポイントの設置により、市内全域へのアクセスも容易になっており、地域住民の読書環境の向上に大きく貢献しています。将来は、さらに充実したサービスを提供し、より多くの市民に利用される図書館を目指していくことでしょう。

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