渋さ知らズ

渋さ知らズは、ベーシストの不破大輔が中心となり1989年に結成された、日本のビッグバンドです。「渋さ」という略称で親しまれています。当初から大所帯バンドを目指し、ダンサーチームも率いて活動を開始。代々木を中心にライブ活動を重ね、多くのミュージシャンが出入りしました。1993年に初の音源を発表し、同年には活動範囲を西日本へ拡大。アンダーグラウンドシーンでの活動や海外公演を経て、2001年にはフジロックフェスティバルに出演し、ライブアルバム「渋旗」を発表。2006年にはベストアルバム「渋全」でエイベックスからメジャーデビューを果たしました。

歴史

1989年8月、アングラ創造集団「発見の会」の公演の劇伴を依頼された不破大輔が、「客席を埋めるためにバンドマンをたくさん集めてほしい」という要望を受け、渋さ知らズを結成。同年9月18日、吉祥寺曼荼羅で初ライブを行いました。ダンサーチーム「乳房知らズ」も結成され、ジャズ、ロック、ダンスミュージックなど、多彩な音楽性を取り入れたバンドへと発展。翌年からは代々木を中心に「代々木地下活動」と呼ばれるライブ活動を精力的に行いました。

メンバーの加入や脱退（他界によるものも含む）を繰り返しながら、1993年 4月1日に初の音源を発表。同年には舞台美術家が加わり、巨大なオブジェがステージに登場するようになります。この年に関西方面へも活動の場を広げ、京都大学、法政大学、同志社大学、大阪芸術大学、和光大学などの大学でも公演を積極的に行いました。

1994年以降は、「天幕渋さ」と呼ばれるテント公演も実施。1995年には初のスタジオ音源「Be Cool」を発売。1997年以降、「第2世代」と呼ばれる若手ミュージシャンの参加が活発化し、同年には寿町フリーコンサートにも初出演を果たしました。

1998年には初のワールドツアーを実施。日本国内はもちろん、ヨーロッパ各国（ドイツ、ノルウェー、チェコ、オーストリア等）や韓国でも公演を行いました。2001年にはフジ・ロック・フェスティバルに初出演し、絶賛を浴びます。同年発売のライブアルバム「渋旗」はロングセラーとなり、ジャケット画をしりあがり寿が担当したことでも話題となりました。

2002年以降、動員数を着実に増やし、公演会場も数百人規模のライブハウスへと拡大。2005年には、テント公演を収録した「天幕〜宇宙を駆ける〜」などの映像作品がリリース。2006年、ベストアルバム「渋全」をエイベックスから発売し、メジャーデビューを果たしました。現在もライブ活動を中心に、精力的に活動を続けています。

音楽性

渋さ知らズの音楽性は、一言で表現することが難しいほど多岐にわたります。中心人物である不破大輔がジャズベーシストであることから、ジャズバンドとして認識されることが多いですが、管楽器セクションには前衛音楽的なアプローチやチンドン音楽の要素も含まれています。また、ギターやキーボードなどはロック的な要素を持ち合わせ、ダンサーたちはキャバレーダンス、暗黒舞踏、サンバなど、様々なバックグラウンドを持っています。

楽曲は、大半がインストゥルメンタルであり、シンプルなフレーズを徐々に音圧を上げながら繰り返す構成が多いです。しかし、中には演奏内容を把握することが困難なほどカオティックなサウンドのものも存在します。楽曲タイトルはユニークで意味不明なものが多く、メロディーラインは口ずさめるほど単純なものも少なくありません。観客を巻き込んだ大合唱（歌詞のない楽曲は「ラララ」で歌われる）は、ライブにおけるハイライトの一つです。このような楽曲構成には、不破と親交のあったサックス奏者、篠田昌已の「ユニゾンは深いんだよ」という言葉が大きく影響していると言われています。

代表曲

自衛隊に入ろう（高田渡のカバー曲）
諸行でムーチョ（「諸行無常」の捩り）
仙頭
反町鬼郎（初期渋さのメンバー名を冠した楽曲）
ナーダム（渋さのカオスを端的に表した代表曲。作曲は林栄一）
ひこーき（近年のライブで歌われることの多いボーカル曲）
Pチャン（2007年、参天製薬「サンテ40」のCMソング）
火男（ひょっとこ）
本多工務店のテーマ（ライブの終盤で演奏される代表曲）
股旅
渚の男（2008年、TOYOTA「ヴァンガード」のCMソング）

衛星プロジェクト

渋さ知らズは大人数のメンバーで構成されており、各メンバーが多くのプロジェクトに関わっています。そのため、バンド内バンドとも言える変則的な編成で活動を行うこともあります。代表的なバンド内バンドは以下の通りです。

乳房知らズ（ダンサーチーム）
おしゃもじ隊（ダンサーチーム）
お調子組合（ダンサーチーム）
ガクッと（渋さ内舞踏楽団）
渋さチビズ（5人程度の編成によるミニマムな渋さ知らズ）
* 渋さ知らズオーケストラ（大人数編成の渋さ知らズ）

主なメンバー

渋さ知らズでは、一度参加したメンバーは以後永久にメンバーであるとされています。また、対バン相手を自身の演奏に参加させることも多いため、歴代の全メンバーは100名以上にのぼります。ここでは、結成に寄与したメンバーや、現在中心となっているメンバーなどを列記します。（順不同）

(メンバーリストは省略)

共演歴のある主なメンバー

(共演者リストは省略)

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