渡辺正樹

渡辺 正樹（わたなべ まさき）氏は、日本のアニメーション監督であり、また演出家としても精力的に活動しています。多岐にわたるジャンルの作品において、絵コンテ、演出、そして監督として重要な役割を担ってきました。

キャリアは多岐にわたり、数多くのテレビアニメシリーズで演出や絵コンテを担当してきました。初期には2005年の『ツバサ・クロニクル』での演出をはじめ、『スパイダーライダーズ 〜オラクルの勇者たち〜』や『.hack//Roots|.hack__Roots』（いずれも2006年）で絵コンテ・演出を手がけています。2006年から2008年にかけては、『地獄少女』シリーズ、『蒼天の拳』、『鋼鉄三国志』、『シャイニング・ティアーズ・クロス・ウィンド』、『地球へ…』、『素敵探偵ラビリンス』、そして『古代王者 恐竜キング Dキッズ・アドベンチャー』シリーズといった、多数の作品で絵コンテや演出を務め、確かな実績を積んでいきました。この時期には、『純情ロマンチカ』とその続編にも参加しています。

監督としての活動も早くから始めており、2006年の漫画原作作品『バーテンダー』でテレビシリーズの監督を務めました。氏のキャリアにおいて特に大きな比重を占めるのが、トレーディングカードゲームを原作とするバトルスピリッツシリーズです。このシリーズでは、初期の『少年突破バシン』、『少年激覇ダン』（ED絵コンテ・演出も）、『ブレイヴ』（ED絵コンテ・演出も）で絵コンテや演出を多数担当し、シリーズの土台を築きました。その後、『バトルスピリッツ 覇王』（2011年〜）の途中、第16話以降から監督に就任。続く『バトルスピリッツ ソードアイズ』（2012年〜2013年）と『最強銀河 究極ゼロ 〜バトルスピリッツ〜』（2013年〜2014年）では、シリーズ全体を通して監督として作品を牽引しました。これらのテレビシリーズに加え、Webアニメとして展開された『バトルスピリッツ サーガブレイヴ』（2019年〜）、『バトルスピリッツ 赫盟のガレット』（2020年〜）、『バトルスピリッツ ミラージュ』（2021年〜）でも立て続けに監督を務めており、長年にわたりシリーズの中核を担い続けています。また、テレビシリーズ『バトルスピリッツ 烈火魂』（2015年〜2016年）でも絵コンテを担当しています。

バトルスピリッツシリーズ以外の監督・シリーズディレクター作品としては、2017年のオリジナルSF作品『正解するカド』でシリーズディレクターを担当し、その独特な世界観の構築に深く関与しました。2018年放送の『BAKUMATSU 〜恋愛幕末カレシ 外伝〜』でも監督を務めています。その他、『狼と香辛料II』（2009年）、『獣旋バトル モンスーノ』（2012年〜2013年）、『覇穹 封神演義』（2018年）といった作品でも絵コンテや演出を手がけています。

劇場作品では、2009年の『劇場版ヤッターマン 新ヤッターメカ大集合! オモチャの国で大決戦だコロン!』で絵コンテ・演出を担当。OVAシリーズでは、『コードギアス 亡国のアキト』の第3章から最終章にかけて、演出や絵コンテ・演出を手がけています。

近年の活動としては、2020年に『フルーツバスケット』、『もっと!まじめにふまじめ かいけつゾロリ』の絵コンテ、『ドラゴンクエスト ダイの大冒険』の演出を担当。2022年には『クレヨンしんちゃん』の演出も手がけるなど、人気作品にも多く参加しています。さらに、2025年に放送が予定されている人気漫画原作の話題作『SAKAMOTO DAYS|SAKAMOTO_DAYS』では、監督として制作を率いることが発表されており、今後の活動にも大きな注目が集まっています。

渡辺正樹氏は、絵コンテ、演出、シリーズディレクター、監督と多岐にわたる役割をこなし、特にバトルスピリッツシリーズにおける監督としての功績は顕著です。今後も日本のアニメーション界において、その手腕を発揮していくことが期待されます。

もう一度検索