正解するカド

『正解するカド (Kado: The Right Answer)』

概要

『正解するカド』は、日本の東映アニメーションによるオリジナルCGアニメーション作品で、2017年4月から6月にかけて放送されました。新しい技術とアイディアを駆使した本作は、異方からの存在とのコンタクトを通じて人類が直面する倫理的問題や選択を描いています。前日譚にあたる第0話はAmazonプライム・ビデオで独占配信され、後に続く『正解するカド 12.5話 KADO: Beyond Information』は2018年にチェコでのワールドプレミアを経て、東映アニメーションの公式YouTubeチャンネルで無料公開されました。

製作背景

本作は、2015年11月に東映アニメーションの第2四半期決算のプレゼンテーションで初めて発表されたプロジェクトです。これまでにないフルCGキャラクター表現に挑戦し、俳優の上川隆也が各話冒頭のナレーションを担当しました。プロデューサーの野口光一は、作品の質を高めるために「楽園追放 -Expelled from Paradise-」での経験を生かし、視聴者に長く愛される作品を目指したとしています。

あらすじ

物語は、羽田空港に突如として出現した直方体「カド」が中心となります。この立方体は一辺が2キロメートルを超える超巨大なもので、周囲にいた256便の旅客機とその乗員を飲み込んでしまいます。政府はカドの調査を進め、飲み込まれた人々を救出しようと奮闘する中、異方から来た存在・ヤハクィザシュニナと、客船に乗り合わせた交渉官・真道幸路朗が出会います。ザシュニナは人類に無限の電力を供給する「ワム」や、睡眠を必要としなくする「サンサ」を提供しますが、その力は国際的な緊張を引き起こします。

真道は、ザシュニナの真の目的が人類を異方に送ることに気付くと、彼女の計画を阻止しようと動きます。しかし、彼の計画は思わぬ形で破綻し、彼の娘ユキカがザシュニナを倒します。物語は人类が異方存在を知りつつも、元の世界を取り戻す過程を描き出します。

主な登場人物

真道幸路朗（声 - 三浦祥朗）

本作の主人公であり、日本政府の交渉官。立方体に飲み込まれた後、ザシュニナと対話を交わし、人類の未来を模索します。

ヤハクィザシュニナ（声 - 寺島拓篤）

異方からやってきた存在で、無限の電力や睡眠不要の技術を提供する役割を持ちます。

徭沙羅花（声 - M・A・O）

外務省の国際交渉官であり、真道の仲間としてザシュニナに対抗します。彼女は異方の存在について警戒を抱いています。

花森瞬（声 - 斉藤壮馬）

真道の部下であり、異方の人々をサポートしつつ、彼の計画に関与する重要なキャラクターです。

技術と美術

本作でのCG技術は革新的であり、特にキャラクターの服の表現に苦労があったと言います。また、立方体「カド」の描写では、MayaやUnityといったツールを駆使し、視覚的に迫力のある演出がなされています。

受賞歴

『正解するカド』は、2017年度の映画テレビ技術協会の映像技術賞や2018年のVFX-JAPANアワードの優秀賞を受賞しています。

総括

『正解するカド』は、視聴者に人類と未知の存在との接触についての考察を促す作品です。科学技術が進歩する中で人間の選択がどのように未来を形作るのか、その刹那を描いた物語は、見る者に深い印象を与えます。

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