燭台切光忠

燭台切光忠について

燭台切光忠（しょくだいきりみつただ）は、鎌倉時代に作られたとされる日本の太刀で、現在茨城県水戸市の徳川ミュージアムに保管されています。この刀は、備前国の刀工集団、長船派の名工・光忠によって製作されたもので、伊達政宗から水戸徳川家に贈られたと伝えられています。燭台切光忠という名は、伊達政宗が家臣に対して斬りかかった事件に由来しており、その際、銅製の燭台ごと斬り落としたことにちなんでいます。

制作時期と来歴

光忠が制作した年代については明確な記録は残っていませんが、彼は1247年から1256年にかけて活動していたとされています。燭台切光忠は、政宗が豊臣秀吉から拝領した刀という説があり、その由来から歴史的にも高い価値が認められています。

燭台切光忠は、当初は水戸家に贈られ、その後、江戸時代の小石川の上屋敷に収蔵されていました。しかし、関東大震災（1923年）により水戸徳川家の刀剣は焼失し、燭台切光忠もその一つと考えられていました。しかし、実際には火災後、溶けた鎺が刀身に癒着した状態で残っていました。

復興と再発見

燭台切光忠は長い間失われたと思われていましたが、2015年にゲーム「刀剣乱舞」の人気により問い合わせが増え、徳川ミュージアム内での保存状態が発覚しました。その結果、2015年の国際博物館の日に合わせて特別展示が行われ、全国から多くの来場者がありました。

その後、燭台切光忠は正式に一般展示され、人気を博し、再評価されることになります。さらに、罹災した状態の刀の写しを新たに製作するプロジェクトも立ち上がり、再刀したものが2018年に公開され、多くの注目を集めました。

刀身の特徴

燭台切光忠の刀身の長さは約67センチメートルで、特徴的な鎬造りに猪首鋒を持つデザインです。鎺の部分は現在は焼けてしまっていますが、当初は精緻な造りが施され、独自の魅力を持っていました。近年の復元プロジェクトにおいては、残された押形から精密に観察され、新たな素材や手法により写しが制作されています。

逸話と伝承

燭台切光忠には数多くの逸話が存在します。その中でも、伊達政宗が豊臣秀吉から贈られたという話や、光忠が政宗の秘蔵の刀であるなどの伝承が語られています。様々な文献や口伝の中で、燭台切光忠は伊達家に深く結びついており、歴史的な背景が豊富な一振りであることが伺えます。これらの逸話は、燭台切光忠をただの刀ではなく、文化的遺産としての地位を確立させています。

結論

燭台切光忠はその美しいデザインと豊かな歴史を持ち、日本の刀剣文化の中でも特に重要な存在です。近年の再評価は、歴史的な価値や美術的価値を持つ刀としての新たな注目を集めています。今後も多くの人々がその魅力に触れることを期待しています。

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