片木淳

片木淳（かたぎ じゅん）氏は、日本の自治官僚であり、そのキャリアを通じて地方自治行政に多大な貢献をしました。消防庁次長などを歴任した後、早稲田大学大学院公共経営研究科教授として後進の育成にも尽力しました。

生い立ちと学歴

片木氏は大阪府泉南市の出身で、灘高等学校を経て、東京大学法学部II類（公法）を卒業しました。名門校で学び、法学の知識を深めたことが、その後の官僚としてのキャリアの基盤となりました。

官僚としての経歴

1971年7月には京都府に出向し、自治官僚としてのキャリアをスタートさせました。その後、自治省（現在の総務省）において、行政局公務員部公務員第一課、税務局市町村税課などを歴任しました。

1976年4月からは鹿児島県に異動し、企画部参事、観光物産課長、財政課長などを務めました。地方自治体での実務経験を積み重ね、地方行政の現場を深く理解しました。

その後、自治省に戻り、行政局行政課課長補佐、大阪市経済局参事などを経て、自治省企画室に所属しました。高知県では保健環境部長、総務部長を歴任し、地方行政の運営に携わりました。

1991年4月には、自治省大臣官房広報室長兼行政相談担当官に就任し、広報活動や行政相談業務を担当しました。1992年8月には北海道総務部長を務め、地方行政の中枢を担いました。その後、自治省財政局公営企業第一課長、大阪府総務部長、自治省大臣官房審議官（選挙共済等担当）を歴任しました。1999年1月には、自治省行政局選挙部長に就任し、選挙制度に関する業務を統括しました。

2000年12月には消防庁次長に就任し、消防行政の中枢を担いました。2001年7月には、公営企業金融公庫理事に就任し、公営企業の財政運営に関わりました。

大学教授としての活動

2003年4月には、早稲田大学大学院公共経営研究科教授に就任し、地方自治や公共経営に関する研究と教育に携わりました。2005年4月には、早稲田大学メディア文化研究所長も務め、メディアと文化に関する研究にも貢献しました。

その他の活動

2012年11月には、地方公務員災害補償基金情報公開・個人情報保護審査会委員に就任し、情報公開や個人情報保護に関する審査を行いました。2013年10月には、新宿区空き家等適正管理審査会会長を務め、空き家問題の解決に取り組みました。2015年11月には、選挙市民審議会共同代表に就任し、市民参加型の選挙制度の構築に尽力しました。

弁護士としての活動

2017年3月には弁護士登録を行い、弁護士としての活動も開始しました。同年6月には弁護士法人TLEO虎ノ門法律経済事務所に入所し、法律専門家としての新たなキャリアをスタートさせました。

受賞

2018年4月には、長年の公共への貢献が認められ、瑞宝中綬章を受章しました。この勲章は、片木氏の長年にわたる地方自治行政への貢献を称えるものです。

片木淳氏は、自治官僚、大学教授、弁護士として、多岐にわたる分野で活躍し、日本の社会に大きく貢献した人物と言えるでしょう。

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