特二式内火艇

特二式内火艇カミ車

特二式内火艇カミ車は、日本海軍が1942年に制式で採用した水陸両用戦車です。本車は日本海軍陸戦隊によって開発され、陸上と水上の両方で運用できる特徴を持っています。その名の通り、海上作戦と地上戦の双方での運用を念頭に置いて設計されました。

開発経緯

日本の海軍陸戦隊は、八九式中[[戦車]]や九[[五式軽[[戦車]]]]など陸軍の車両を使用していましたが、上陸作戦に特化した水陸両用の戦車が不足していました。このニーズに応えるため、陸軍技術本部と連携して開発が進められました。特に、九[[五式軽[[戦車]]]]のエンジンや電気系統を基にして、必要な改良を加えた結果、本車が完成しました。

また、潜水艦による輸送を考慮した構造になっており、車体は全面的に溶接されており、水密性が強化されています。水上での移動を可能にするため、後部に二軸のスクリュープロペラが取り付けられています。

兵器としての特徴

本車は、二式軽[[戦車]]の砲塔を流用しており、主砲は初期型では九四式や九八式の37㎜戦車砲が採用され、後期型では一式37㎜戦車砲が使用されました。主砲に加え、車体前方には九七式車載重機関銃が配置され、火力の補強が図られています。更に、魚雷を搭載可能という特筆すべき点もありましたが、実際の運用例は不明です。

実戦配備

特二式内火艇カミ車は、終戦までに約180輛が製造され、南方の島嶼地域で展開する海軍陸戦隊に配備されました。実戦でも用いられ、初戦となるクェゼリンの戦いではその能力を発揮しました。サイパンの戦いでも複数輛が配備され、フロート未装着ながら上陸作戦に参加しました。

フィリピンのレイテ島でも使用され、特にオルモック湾の戦闘では、激しい攻撃の中で連絡を取り合い、連携が行われました。ただし、最終的にはアメリカ軍の反撃によって多くの部隊が壊滅しました。硫黄島でも利用されたとの報告があるものの、その詳細は定かではありません。

現存する車両

現在、特二式内火艇カミ車の現存車両は数台あり、その中にはロシアの博物館に展示されているものもあります。また、パラオのコロールには朽ちた状態で放置されている車両があり、自由に見学できる環境が整っています。

文化的影響

この戦車は様々なメディアにも登場しています。アニメ『ガールズ&パンツァー』や、ゲーム『War Thunder』、『艦隊これくしょん』などで取り上げられています。

特二式内火艇カミ車はその独自の設計と運用歴により、歴史の中で特異な位置を占めており、その存在は今なお多くの人々に影響を与えています。

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