二式軽戦車

二式軽戦車 ケト（にしきけいせんしゃ）

二式軽戦車 ケトは、第二次世界大戦中に日本で開発された軽戦車で、九八式軽戦車 ケニの改良型として知られています。この戦車は、戦局の変化に対応するために設計され、さまざまな改良が施されています。

開発の経緯

二式軽戦車の起源は、1939年に試作された九八式軽戦車にまで遡ります。この戦車は、九五式軽戦車の後継車両として位置づけられていましたが、いくつかの性能面で満足できる結果が得られていませんでした。特に、主砲として用いられていた一〇〇式三十七粍戦車砲は、先代の九五式軽戦車の後期型と比較して大きな進歩が見られず、また狭すぎるとされる円錐台形の砲塔も改良を要していました。これらの要望に応える形で、1941年に試作が完了し、1942年に正式に採用されました。ここで名づけられた「二式軽戦車」は、皇紀の下2桁を使用したもので、「ケト」という名称は軽戦車を示す「ケ」と、イロハにおける七番目の文字「ト」に由来しており、「軽戦車として7番目に設計された車両」という意味があります。

主砲には新たに一式三十七粍戦車砲が採用されており、この砲は初速785 m/秒で、1000 mで25 mmの鋼板を貫通可能です。一〇〇式三十七粍戦車砲の性能を上回るものであり、九七式車載重機関銃と双連にされていました。砲塔の形状も円筒形に変更され、容積が増加したことで、より効果的な運用が期待されるようになりました。

部隊配備

二式軽戦車は1942年に採用されましたが、その後の日本の生産体制は航空機や艦船に資源を優先的に配分していたため、二式軽戦車の生産は遅れ、1944年になってようやく始まりました。この年内に完成した車両は29両で、空挺部隊である第1挺進集団の第1挺進戦車隊に配備されました。第1挺進集団は1944年に挺進練習部から改編された部隊で、過去に九五式軽戦車を運用していく中で、空挺戦車部隊の研究に取り組んでいました。

この戦隊には戦車中隊の他にも協力する歩兵中隊や自動車中隊が編成され、すべての車両はグライダーによる輸送計画が立てられました。戦車一両に歩兵三名が随伴して戦闘を行うという戦術も訓練されていました。

第1挺進集団は1944年12月にフィリピンに進出し、防衛戦に参加したものの、法律の制約により第1挺進戦車隊は参加できず、本土に留保されることとなりました。戦局の厳しさが増す中で、空挺作戦の見込みが立たなくなり、本車両は他の戦車同様に本土決戦用の温存資産として扱われました。最終的に第57軍の指揮下に入り、敵の空挺部隊に対する地上迎撃任務を想定しつつ、終戦を迎えました。

バリエーション

二式軽戦車のバリエーションには、改造案がいくつか存在しました。
1. 二式軽戦車改: 二式軽戦車の車体にチハの新砲塔を一式47 mm戦車砲付きで搭載する計画がありました。
2. 発電車: 工兵作業用に改造された車両で、30 kWの発電機をエンジンから供給し、工兵用の電動工具に電力を提供しましたが、約25輌が製造されるも部隊配備には至りませんでした。
3. 四式作業車: 発電車を基に改造され、土工板を装備して飛行場整備に使用することを想定していましたが、実際に整備されたかどうかは不明です。

これらの情報を通じて、二式軽戦車 ケトは日本の戦車開発史において重要な位置を占めており、当時の技術や戦術の進化を反映しています。

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