症年症女

『症年症女』（しょうねんしょうじょ）は、西尾維新が原作、暁月あきらが作画を担当した日本の漫画作品です。『ジャンプスクエア』（集英社）にて2016年2月号から2017年5月号まで連載されました。西尾維新と暁月あきらのタッグによる連載作品としては、『めだかボックス』に続く2作目となります。物語は、各話が「第○症」と数えられ、本編の最終話は「最終症」、そしてエピローグは「後遺症」として完結します。

物語のあらすじ
物語は、病院のベッドに横たわる少女に、少年がハサミを突きつける衝撃的な場面から始まります。少年のモノローグ「これは、少年（ぼく）が、少女（このこ）を殺すまでの物語だ」という言葉が、読者を物語へと引き込みます。

無個性な世の中に不満を抱く少年は、他人の個性が認識できず、12歳で死ぬという奇病を患っていました。彼は、この病で死ぬことで、唯一無二の個性を得られると考えていましたが、自分よりも先に死ぬ可能性のある少女の存在が、彼の計画を阻みます。そこで少年は、自分が最初の死者となるべく、少女を病気以外で殺害しようと試みます。しかし、その裏では第三者の思惑が蠢いていました。

登場人物

少年 / 山井 生（やまい しょう）
本作の主人公。11歳。世の中の無個性さに嫌気がさしており、自分の存在意義を見出せずにいます。新病により、他人の情報が塗りつぶされたように見えています。病によって「悲劇の主人公」になることを妄信し、自分が新病による最初の死者となるべく、少女を殺害しようと試みます。しかし、その一方で、少女に惹かれているような一面も覗かせます。物語終盤では、少女を殺すことに執着していた彼も、彼女の笑顔を見るために彼女を殺そうと決意します。

少女 / 山井 笑（やまい しょう）
もう一人の主人公。11歳。少年とは対照的に、前向きで活発な性格の持ち主。新病により、他人の情報が布やアクセサリーで覆われたように見えています。飛び級で大学を卒業した天才児であり、両親が大犯罪者という特異な出自を持っています。少年が自分を殺そうとしていることに気づいていません。実は、この奇病を作り出した張本人であり、両親に殺されそうになった過去を持っています。

小児さん、お姫さま
新病の新たな患者として登場する、8歳の男の子と6歳の女の子。他の患者と同様に、少年と少女からは顔が見えません。仮病であることが判明し、その後、首吊り死体として発見されます。

毒（どく）
白衣を着た謎の男性。少年を唆し、少女の殺害を促します。その目的や真意は不明です。医師を指す「ドク」との掛詞で自称しています。

新病について

この物語の鍵となる新病は、「12歳の誕生日に必ず死に至る」というものです。症状として、他人の顔や名前などの「個性」が認識できなくなるという特徴があります。病状が進むと筋肉がゴムのようになり、マッサージが必要になります。この病は、12歳まで絶対に死なないという特性も持っています。物語の終盤で、この病は「山井症（やまいしょう）」と名付けられ、治療法が確立されます。後遺症として、この病気が「個性を剥ぎ取る病」であり、細胞の新陳代謝を無効化してしまうため12歳で老衰死することが判明します。

書誌情報

西尾維新（原作）、暁月あきら（漫画） 『症年症女』 集英社〈ジャンプ・コミックス〉、全3巻
1巻: 2016年6月8日発行（6月3日発売）、ISBN 978-4-08-880710-2
2巻: 2016年11月9日発行（11月4日発売）、ISBN 978-4-08-880816-1
3巻: 2017年5月7日発行（5月2日発売）、ISBN 978-4-08-881082-9

関連情報
* ジャンプスクエア内公式サイト

『症年症女』は、個性とは何か、存在意義とは何かを問いかける、深淵な物語です。独特な世界観と、魅力的なキャラクターたちが織りなす展開は、読者を惹きつけて離しません。

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