監査法人

監査法人（かんさほうじん）についての詳細

監査法人は、公認会計士が共同で設立し、他者の依頼に基づいて報酬を得る形で、財務書類の監査や証明業務を組織的に行うことを目的とした法人です。公認会計士法第34条の2第1項に基づいて設立され、最低5名の社員が必要で、その中には少なくとも5名の公認会計士が含まれなければなりません。公認会計士以外の社員も在籍可能ですが、その割合は25%未満に制限されています。

監査法人の概要

監査法人は、主に次のような社員を持つ組織です。公認会計士の資格を持ち、出資して法人の経営に参加する社員と、法人と雇用契約を結ぶ従業員です。監査法人の法律により、社員が4名以下になると法人は解散します。社員は業務執行権を持ち、責任については持分会社に似た規定を持つため、法人の財産を利用して弁済を行うことが求められます。

歴史的背景

監査法人制度は1961年に始まり、1966年には公認会計士法が改正され、正式に監査法人の設立が定められました。2008年には有限責任監査法人制度が導入され、これは欧米の有限責任会社に基づいた新しい形態の法人です。有限責任監査法人においては、特定の監査報告に署名した社員が無限責任を負うことになりますが、対第三者に対しての責任は出資額に限定されています。

業務内容

監査法人の業務は、主に以下の3つに分類されます。
1. 監査及び証明業務: 金融商品取引法監査や会社法監査などを行います。
2. コンサルティング業務: 企業向けにアドバイスを提供する業務です。
3. 公認会計士試験合格者への実務補習: 若手会計士に対する実務教育も行います。

監査証明業務としては、上場企業に対する監査や特定目的の調査、内部統制の構築支援など、多岐にわたります。また、最近では企業のCSR活動に関する助言も増えています。

監査法人の種類

監査法人は、その規模や業務内容に応じて大手監査法人、準大手監査法人、中小規模監査事務所に分けられます。特に、大手監査法人は「ビッグ4」と呼ばれ、EY新日本、有限責任[[監査法人トーマツ]]、有限責任あずさ[[監査法人]]、PwC Japanが含まれ、世界的なネットワークを活用して統一された監査手法を提供しています。

現在の監査法人の状況

2023年11月時点で、上場企業を1社以上持つ監査法人は135あります。業務の適正化や効率化のため、多くの監査法人が共同でプラットフォームを構築し、インターナショナルな視点を取り入れながら、より良い監査サービスの提供に努めています。監査法人は、企業の財務情報の信頼性を担保し、経済の健全な発展を支えている重要な存在です。

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