目地

目地の概要とその重要性

目地（めじ、またはjoint）は、建築や土木工事において、部材同士の間にできた隙間や接合部を指します。特に石、煉瓦、コンクリートブロックのような組積材料やタイルのつなぎ目としてよく見られます。目地に充填する建築材料は、一般に目地材や目地剤と呼ばれ、その目的は形状の保持や圧力の分散、また美観に寄与することです。

目地の基本的な意味

目地という用語は、石積みや煉瓦積みといった組積造での部材の接続部分に特有のものですが、木材や瓦に関しては目地とは言われません。木材の場合、通常は隙間がないため、また瓦の場合、隙間があまりにも大きいことからこの用語は使われないと考えられます。目地には、充填物を入れる場合とそのまま空隙を保つ場合が存在します。目地の形状は、一般的には凹の形状が多いですが、一部には凸の形状を持つ「出目地（でめじ）」も存在します。

目地の配置、すなわち「目地割り」は、設計において非常に重要な要素であり、美観や機能性を高めるために慎重に計画されます。

伝統的な目地の使用法

日本の伝統的な建築物、特に城郭や寺院の石垣では、石材だけで構成され、目地は隙間のままの場合が多いです。例えば、城壁のような構造物では、煉瓦を使用しその目地は充填されるものの、仕上げ材によって隠されてしまいます。西洋の建築では、目地をモルタルで充填し、外壁を雨風から守る手段として一般的です。アジアや南アメリカにも固有の目地技術がありますが、詳細はあまり知られていません。

現代における目地の意義

現代の建築では、目地は外装と内装で異なる意味を持ちます。

外装の目地

外装の目地は風雨の侵入を防ぐため、隙間があってはなりません。一般的には石や煉瓦、タイルにモルタルが使用され、さらに「シーリング」と呼ばれる弾力性のある材料が用いられることが多いです。これにより、経年による変形を吸収し、ひび割れを防ぎます。また、外壁を二重構造にすることで、外側の目地を充填しない手法も増えています。コンクリートの場合は、亀裂を誘発するために、目地の溝を掘りそちらにシーリングを充填することで、経年変化に対応します。この手法を「クラック誘発目地」と呼びます。

内装の目地

内装では、外的な条件はないものの、構造体の伸縮に対応するためシーリングが使用されます。また、意匠面での観点から、機能的ではないが美的価値を持つ目地が「化粧目地」として設けられます。

目地材の種類

目地に用いられる主な材料は、以下の通りです：

• - 漆喰
• - セメント
• - モルタル
• - シーリング

目地は建物の性能と美観の両面において極めて重要であり、その設計や選択により、建物の持つ特性が大きく変わることがあります。

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