盲ろう者

盲ろう者についての知識

盲ろう者、または盲聾者は、視覚と聴覚の両方に障害を抱える人々を指します。この状態は英語で「deafblindness」と呼ばれ、日本語では「視聴覚二重障害者」や「ろう盲者」とも表現されます。盲ろうという障害は、その重症度に応じてさまざまに分類されます。

盲ろうの分類

盲ろう者の障害は、主に以下の4種類に分類されます：

1. 全盲ろう - 完全に視覚と聴覚が失われている状態。
2. 盲難聴 - 視覚は完全に失われていても、聴覚は一部残っている状態。
3. 弱視ろう - 視覚が弱く聴覚が全くない状態。
4. 弱視難聴 - 視覚が弱く聴覚も一部損なわれている状態。

この他にも、個々の障害の受障歴に基づく分類も存在します。たとえば、もともと聴覚に障害があった人が視覚障害を持つようになった場合、これを「ろうベース盲ろう」と呼びます。また、視覚と聴覚に障害がなかった人がそれらを失う場合は「中途盲ろう」とされ、加齢によって起こる場合は「加齢に伴う盲ろう」と呼ばれます。これらの多様な障害の画像は、盲ろうの状態の特徴的な部分と言えます。

日本における盲ろう者の人口

日本での盲ろう者の正確な数は不明ですが、2012年の調査によれば約23,000人と推計されています。しかし、地域によっては数千人から1万人程度の誤差があることも指摘されています。社会福祉法人全国盲ろう者協会が把握している数は約900人で、その大多数は70歳代以上の高齢者です。

教育の現状

盲ろう児・者の教育は非常に難しいものです。1998年の調査によると、特別支援学校に在籍する盲ろうの生徒は338人いることが確認されています。盲ろう児においては、情報やコミュニケーションに関する重度の障害が存在し、通常の学習方法では適応が難しいため、特別な配慮や工夫が必要です。このような状況の中で、盲ろう者を支援するための全国的な研究会「全国盲ろう教育研究会」が存在し、教育活動の向上を目指しています。

コミュニケーション手段

盲ろう者のコミュニケーション手段は多岐にわたります。視覚や聴覚の障害の程度、生活環境によって、以下のような方法が利用されています。

• - 点字を用いた方法：点字筆談や指点字など。
• - 手話や指文字を用いた方法：触読手話やワードタイプの指文字、ローマ字式指文字など。
• - 墨字を用いた方法：手書き文字や拡大文字筆記など。
• - 音声を用いた方法：耳元での音声通訳や補聴器への直接音声など。

多くの盲ろう者は、これらの手段を状況によって使い分けることでコミュニケーションを図っています。インターネットの普及によって、電子メールやチャットも新たな手段として有効に利用されています。

孤立の問題

盲ろう者は、視聴覚の情報入手や発信、移動の困難さから孤立しやすい傾向があります。社会からの理解不足や支援の不足が相まって、当事者たちは自らの困難を十分に伝えることができない場合が多いです。このような現状を踏まえ、社会全体として彼らのニーズを理解し、サポート体制を充実させることが求められます。

盲ろう者の著名人

著名な盲ろう者には、ヘレン・ケラーや福島智などがいます。彼らは、多くの人々にとっての象徴的存在であり、盲ろうという障害の理解を深める手助けとなっています。

参考文献

• - 『盲ろう者として生きて - 指点字によるコミュニケーションの復活と再生』福島智、明石書店、2011年 ISBN 9784750334332

このように、盲ろう者についての理解を深めることは非常に重要です。個々の状況に応じた支援が、彼らの生活の質を大きく向上させる可能性があります。

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