眠る男

映画『眠る男』について

『眠る男』は、1996年に公開された日本のドラマ映画です。群馬県が製作に関与したことで、地方自治体による初の映画製作として大きな注目を集めました。監督は小栗康平が務め、脚本は小栗康平と剣持潔が共同で執筆しました。撮影は群馬県中之条町で行われ、美しい自然の中で物語が展開されます。

あらすじ

物語の舞台は、温泉が湧き出る山間の小さな町。そこに住む老夫婦の農家には、転落事故で重傷を負い、以来ずっと昏睡状態のまま眠り続ける男・拓次がいます。彼の親友である上村は、意識のない拓次に何度も語りかけ、彼の回復を願い続けます。

物語は、拓次の昏睡状態と、それを取り巻く人々の日常が並行して描かれていきます。登場人物たちは、それぞれが抱える過去や悩み、そして希望を胸に、静かに生活を送っています。この映画は、眠る男・拓次を通して、生と死、そして人間のつながりを深く問いかける作品です。

キャスト

アン・ソンギ：眠る男・拓次
役所広司：上村
クリスティン・ハキム：ティア
左時枝：民子
野村昭子：フミ
田村高廣：傳次平
今福将雄：キヨジ
八木昌子：オモニ
小日向文世：ワタル
瀬川哲也：いんごう爺さん
渡辺哲：大吾
岸部一徳：チーフ
蟹江敬三：床屋
平田満：平井
真田麻垂美：蘭
太刀川寛明：リュウ
小林トシ江：中年の姑
中島ひろ子：若い嫁
藤真利子：京子
高田敏江：姉
浜村純：郵便局の老人
風見章子：たけ


豪華な俳優陣が、それぞれの役柄を繊細に演じています。特に、役所広司の静かで力強い演技は、観る者の心に深く響きます。

スタッフ

監督:小栗康平
製作:小寺弘之
脚本:小栗康平、剣持潔
音楽:細川俊夫
撮影:丸池納
照明:山川英明
録音:井上創一
美術:横尾嘉良
編集:小川信夫
製作:群馬県『眠る男』製作委員会



小栗康平監督の独特な映像美と、細川俊夫による音楽が、物語の世界観をより一層深めています。また、撮影、照明、録音、美術、編集など、各分野のプロフェッショナルが集結し、映画全体のクオリティを高めています。

受賞歴

『眠る男』は、国内外の映画祭で数々の賞を受賞しています。

第20回モントリオール世界映画祭 - 審査員特別大賞
第47回ベルリン国際映画祭 - 国際アートシアター連盟賞
第38回毎日芸術賞
第70回（1996年度）キネマ旬報ベスト・テン - 日本映画第3位、日本映画監督賞（小栗康平）
第20回日本アカデミー賞優秀監督賞（小栗康平）
第20回山路ふみ子映画賞 - 山路ふみ子文化賞（小栗康平）

これらの受賞歴からも、本作が非常に高い評価を受けていることがわかります。

関連項目

小寺弘之：本作の製作を担当しました。
清水崇：映画監督。本作の撮影に参加した経験が、自身の著書『寿恩』に記述されています。

外部リンク

* 小栗康平公式HP


『眠る男』は、静かで美しい映像と、人間の内面を深く掘り下げた物語が魅力的な作品です。ぜひ一度ご覧ください。

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