知っとるケ

知っとるケとは？

フジテレビ系バラエティ番組『オレたちひょうきん族』の看板コーナー「タケちゃんマン」に登場した、明石家さんま演じる異色のキャラクター。その名は「知っとるケ（しっとるケ）」。妖怪人間という設定で、独特の風貌と奇妙な言動で視聴者を魅了しました。

知っとるケの概要

知っとるケは、タケちゃんマンと戦う五番目の怪人として登場しました。チャンチャンコを羽織り、白髪頭に赤い鼻、肩にはカラスのバッキーを乗せた姿が特徴的。バッキーは腹話術人形のように扱われますが、実際にはオウム返しのように言葉を繰り返すだけです。このシュールな掛け合いは、いつもタケちゃんマン7にツッコまれていました。

季節の変化に合わせて衣装替えも行い、夏には長袖シャツの袖を切った涼しげな姿に。バッキーの代わりに扇風機のやすはる君が登場しましたが、回すとタケちゃんマン7の髪を吸い込んでしまうため、一度で使用を中止しました。

知っとるケの誕生秘話

知っとるケは、悲しい過去を持つ人物が妖怪化した姿でした。遍路の途中で父親を亡くし、自給自足で生きていた子供が、学校で「しっとるケ？」と馬鹿にされたことがきっかけで、神様に天才的な頭脳を授かる代わりに妖怪にされてしまったのです。地元では「しっとるケ様」として伝説になっており、その体毛を拾った者は爆発し、煙とともに白髪の老人になってしまうという恐ろしい力を持っていました。

変身前は女性トラブルが多く、「最低の男」ぶりを発揮していたという設定もありました。洗濯女（島田紳助演）にストーキングされるなど、コメディタッチながらも人間味あふれるキャラクターとして描かれています。

変身シーンは、ビートたけしが覆面姿で現れ、それに対し明石家さんまが驚くという流れから、「さてはお前××××ケだな!」「そういうおまえは××××セブンだな!」とお互いに言い合い、二人でタケちゃんマン7と知っとるケに変身するというものでした。

知っとるケの展開

初期には「しっとるケ舞踊団」と共に「しっとるケのケ 俺の名前をしっとるケのケ」と歌いながら登場しました。このテーマソングは、次第に歌詞が変わり、メンバーも減っていきました。最終的にはタケちゃんマン7が操作する手回し人形になり、最後は一人で踊るようになりました。

タケちゃんマン7との対決では、「こんなの知っとるケ？」と唐突な質問を投げかけ、様々なポーズをさせてからかうのがお決まりのパターンでした。後期には、タケちゃんマン7をギャグや小道具で笑わせようと試みるなど、精神的なダメージを与える戦法を得意としていました。

また、CM出演の依頼も多く、知っとるケは体力を使う役割ばかりを押し付けられ、弱音を吐く場面も多々ありました。

知っとるケの最期とその後

知っとるケは、大規模な犯罪が増加した1985年、治安悪化の責任を負わされ、政府によって大事件犯人に仕立て上げられてしまいます。その後、実家の知取毛神社に立てこもり、神社に放火し踊りながら焼身自殺するという衝撃的な最期を迎えました。

知っとるケの墓は、青森県知っとるケ村、福岡県北九州・小倉市、カナダ・バンクーバーの3ヶ所にあるという設定になっています。最終回「タケちゃんマン忠臣蔵」ではダンサーとともに歌い踊る姿を見せました。

2008年の27時間テレビでは「知っとるケスマイリー」として復活し、番組内で披露された笑顔体操の歌詞には「しっとるケ音頭」をアレンジした箇所も含まれていました。

知っとるケの特筆事項

知っとるケは、そのユニークなキャラクターから、様々な番組でパロディとして登場しています。

『めちゃ×2イケてるッ!』では、中居正広と岡村隆史が30歳の通過儀礼として扮し、『ロンドンハーツ』では、ほしのあきが扮するなど、30歳を迎えた芸能人にとって重要なキャラクターとして認識されています。

お笑い芸人の間では、30歳という年齢を区切りとして意識させるものとして語り継がれており、自虐ギャグの要素も含んだ存在として知られています。

まとめ

知っとるケは、「オレたちひょうきん族」が生み出した伝説的なキャラクターです。その奇抜な外見、シュールな言動、そして悲しい過去は、多くの視聴者の心に深く刻まれました。時代を超えて愛されるこのキャラクターは、今もなお多くの人に影響を与え続けています。

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