石巻市民球場

石巻市民球場

宮城県石巻市総合運動公園内に位置する石巻市民球場は、地域における野球活動の拠点として重要な役割を担っています。この施設は石巻市が所有し、現在は指定管理者制度のもとで運営されています。

開場以来、この球場では様々な公式戦が開催されてきました。特に高校野球や社会人野球といったアマチュア野球の主要な試合会場として親しまれています。2001年には、宮城県で開催された「新世紀・みやぎ国体」において、軟式野球の試合会場としても使用されました。また、不定期ではありますが、プロ野球イースタン・リーグ（二軍）の公式戦も開催されており、プロのプレーを間近で見られる機会も提供しています。

施設の概要を見てみましょう。グラウンドは両翼100メートル、中堅122メートルの広さを有しており、内外野にはロングパイル人工芝が採用されています。ブルペンは一塁側と三塁側の屋外にそれぞれ2つずつ設置されています。スコアボードは得点や選手名が表示可能なカラーLED式を採用しており、視認性に優れています。照明設備は4基を備え、夜間の試合開催にも対応しています。観客席の収容人員は合計10,000人で、内野に1,300人、外野に8,700人を収容可能です。

交通アクセスも良好です。公共交通機関を利用する場合、JR石巻駅（仙石線、仙石東北ライン、石巻線）からミヤコーバス「石巻専修大学行き」に乗車し、約15分で「総合運動公園」バス停に到着、そこからすぐに球場です。車を利用する場合、三陸沿岸道路石巻女川インターチェンジから約5分でアクセスできます。

この球場にとって、2011年3月11日に発生した東日本大震災は大きな転機となりました。震災発生後、当施設は一時的に自衛隊の駐留基地として利用されました。また、市内にあったもう一つの野球場である石巻野球場（水押球場）が仮設住宅建設のために使用できなくなったこともあり、石巻市内では野球場が使用できない状況が続きました。しかし、アメリカ合衆国およびメジャーリーグベースボールの支援のもと、「TOMODACHIプロジェクト」による復旧工事が行われ、2013年には野球場としての機能を回復、再び利用可能となりました。

この改修竣工は、震災からの復興の象徴として捉えられました。その証として、2013年に開催された第95回全国高等学校野球選手権記念大会の宮城県予選では、例年宮城球場（現在の楽天モバイルパーク宮城）で行われていた開会式が、震災後初めて、そしてこの球場としても初めて、当市民球場で開催されました。

石巻市民球場は、アマチュア野球の普及・振興からプロ野球二軍戦の開催、そして震災からの力強い復興を象徴する場所として、地域に貢献しています。

関連項目
日本の野球場一覧

外部リンク
石巻市総合運動公園（石巻市）

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