磯部勉

磯部 勉（いそべ つとむ）

磯部勉は、1950年10月13日生まれの日本の俳優および声優で、現在はエンパシィに所属しています。過去には劇団アンクルベイビーにも所属していました。東京都出身で、俳優座の斉藤深雪を妻に持ち、娘は女優の磯部莉菜子です。

来歴

磯部のキャリアは、彼の教育的背景とも関係があります。両親が教師であったことから、教育者を目指すも、ある日、桐朋学園短期大学を進学先として紹介されました。大学在学中に唐十郎主宰の状況劇場を観覧したことが、俳優としての道を選ぶきっかけとなりました。1972年に劇団俳優座に入団後、演出家千田是也に師事し、多くの舞台経験を経て、特にシェイクスピア劇で高い評価を得るようになりました。

代表作としては、NHKドラマ『風神の門』での主人公霧隠才蔵の宿敵役を演じ、その後も多くの舞台やテレビ、アニメ、映画で幅広く活動しています。1980年代以降は、NHK大河ドラマに次々と出演し、特に昭和の犯罪史に基づく実録映画『さらば、わが友』では主演を務め、ドラマが放映されるたびに注目を集めました。退団後は、知的な悪役や脇役として多くの作品に出演し続けています。

人物

声優としてのキャリアは20代の頃、京都の撮影所での経験がきっかけです。劇団俳優座の映画放送部から声の仕事への誘いがあり、彼はこれをきっかけに声優としての道に進みます。デビュー作は『クレイマー、クレイマー』のダスティン・ホフマンの吹き替えで、その後も『超音速攻撃ヘリ エアーウルフ』でのメインキャラクターを演じるなど、数多くの著名な俳優たちの声担当をしています。

特にメル・ギブソンの吹き替えは、彼の代表的な仕事の一つであり、『リーサル・ウェポン』シリーズでは、シリーズ全作品でギブソンの声を担当しました。磯部は、ギブソンのキャラクターの激しさをいかに表現するかに苦心しつつ、長年の経験を通じて息継ぎのタイミングなど彼自身のスタイルを確立しました。彼にとってのギブソンは、感情豊かな役柄の象徴であり、長年の関わりがあったため特に思い入れがあります。

また、ハリソン・フォードに関しても多くの作品で声を担当しており、フォードとの共演作『エクスペンダブルズ3』の際には、他の声優と冗談を交わしながら収録したエピソードも語られています。磯部は、フォードの多面的な演技力を称賛し、彼の声を担当することの意義を感じています。さらに、ショーン・ビーンとも関わりを持ったことがあり、彼が原語版で磯部が演じたキャラクターに対面した際にはその縁を大切にしています。

主な活動

磯部の出演は幅広く、多くのドラマや映画、舞台での活動が続いています。山井等様に多様なキャラクターを演じ、現代劇や時代劇の両方で高い演技力を発揮。多くの声優には、彼に憧れる人が多く、若手声優の中には磯部の影響を受けたという者も少なくありません。これからも、磯部勉の活躍は続いていくことでしょう。最後まで彼の作品を観ることで、多彩な才能に触れることができます。

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