神戸ファッション美術館

神戸ファッション美術館：ファッションの未来を彩る創造の拠点

神戸ファッション美術館は、1997年、兵庫県神戸市東灘区の六甲アイランドに開館した日本初のファッション専門美術館です。UFOを思わせる独創的な外観と、17,000㎡を超える広大な敷地面積を誇るその建物は、来館者を迎える第一印象からして、他の追随を許さない存在感を放っています。

館内は4層構造になっており、各フロアには、ファッションに関する多様な魅力が凝縮されています。1階には常設展と特別展の会場があり、時代や文化を反映したファッションの変遷をたどることができます。3階には、芸術、ファッション、インテリア関連の書籍約28,000冊を所蔵するライブラリーがあり、貴重な映像資料や生地見本なども閲覧可能です。4階のリソースセンターには、さらに詳細な資料が保管され、研究者や学生にとって貴重なリソースとなっています。5階には、ファッションショーや講演会など様々なイベントを開催できるオルビスホールがあり、活気ある空間を提供しています。

神戸ファッション美術館のコレクションは、その規模と質においても特筆すべきものです。19世紀から20世紀前半の服飾関連書籍、VOGUEやHarper’s BAZAARといった著名なファッション誌のバックナンバー、ストローブ＝ユイレの映画フィルム全21作品など、歴史的にも価値の高い資料が多数所蔵されています。また、大内順子コレクションとして、1970年代以降のトップデザイナーのスライド約46,000点なども収蔵されており、ファッション史研究に大きく貢献しています。さらに、パリ、ミラノ、ロンドン、東京などのファッションショー映像約2,400点や、19世紀～20世紀前半のフランス、イタリアの生地見本約30,000点なども保管されており、多角的な視点からファッションを学ぶことができます。大阪樟蔭女子大学被服学科との協働事業による復元作品なども展示され、教育機関との連携を通して、ファッション文化の継承にも貢献しています。

神戸ファッション美術館は、単なる展示施設にとどまりません。ファッション産業の人材育成にも積極的に取り組んでおり、「素材」「色彩」「装飾」「歴史」「デザイナー」「社会」「メディア」の7つのカテゴリーにわたる服飾講座を開講しています。これらの講座は、将来のファッション業界を担う人材育成に大きく貢献するものと期待されています。

アクセスは六甲ライナーのアイランドセンター駅から徒歩2分と、非常に便利です。周辺には神戸市立小磯記念美術館、神戸ファッションマート、神戸ファッションプラザなどの施設もあり、充実した一日を過ごすことができます。

建築概要としては、昭和設計と大成建設による設計、大成建設による施工で1997年に竣工されました。延床面積は17,082㎡に及びます。2018年4月からは、著名なデザイナーであるコシノヒロコ氏が名誉館長に就任し、美術館の更なる発展に貢献しています。

神戸ファッション美術館は、ファッションを愛する人々にとって、まさに聖地と言えるでしょう。過去から未来へと繋がるファッションの軌跡に触れ、その魅力を再発見できる、そんな場所です。

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