神戸新交通

神戸新交通株式会社について

神戸新交通株式会社（こうべしんこうつう）は、兵庫県神戸市において、自動案内軌条式旅客輸送システム （AGT）を基盤にした2つの路線を運営する、第三セクター方式の鉄道事業者です。設立は1977年で、設立当初から神戸市が出資している企業であり、その本社は神戸市中央区に位置しています。スルッとKANSAIで使われる符号はKS、略して新神交とも呼ばれています。

歴史の歩み

神戸新交通は、1981年のポートアイランド線開業を皮切りに、日本初の実用的な新交通システムを導入しました。このシステムは、世界初の自動無人運転方式によるもので、以後、1990年には六甲アイランド線が開業し、新たな交通の枠組みが整いました。2006年にはポートアイランド線が神戸空港まで延伸し、運賃体系も改定され、翌年からはICカード「PiTaPa」が両路線で利用可能になりました。さらには、2014年に全国相互利用サービスに対応し、2017年にはIC乗車カード「ICOCA」の販売を開始するなど、時代に合わせたサービスの向上を図っています。

近年では、利用者数が増加し続けており、特に2019年には不透明な内部貸付制度が報道され、神戸市からの監査請求がありました。2020年と2021年には社長の交代があり、2023年には新しい経営体制が構築されました。

運営路線と車両

神戸新交通は、ポートアイランド線（ポートライナー）と六甲アイランド線（六甲ライナー）という2つの路線を運営しています。両路線は全て高架構造であり、自動運転システムにより運行されています。ポートアイランド線は三宮駅から神戸空港駅を結ぶ8.2km、六甲アイランド線は住吉駅からマリンパーク駅までの4.5kmです。

使用する車両は、急勾配や急曲線に対応できる設計で、全て川崎重工業製です。車両の番号は「KNT-○○○○」形式で表示されており、役割に応じた番号付けがされています。現在、2000型、2020形、1000型、3000形の車両が運用されています。

運賃体系

運賃は大人普通旅客運賃で設定されており、2019年には改定が行われました。一部の駅では運賃計算上の便宜が図られ、特に定期券では特定の駅間で乗降が自由となる配慮があります。また、交通系ICカードが全国相互利用されており、ICOCAの販売も行っていますが、特定の制限が存在しています。

付帯事業とイベント

神戸新交通は交通機関の枠を越えた付帯事業も展開しています。テナントビルやイベントの主催など、地域への貢献も意識されています。その中には「ポートライナーフェスティバル」などの地域イベントがあり、地域住民との交流も図られています。

公式キャラクターと地域活動

公式キャラクター「ライナーくん」は、神戸新交通の広報活動において重要な役割を果たしています。このキャラクターは、SNSやLINEスタンプとしても展開されており、若い世代へのアピールを図っています。

経営状況と労使問題

経営側では、2015年度に減資を行うことで財務状況を改善させましたが、労働組合の不正行為や内部貸付制度の問題が報道され、社内の透明性向上が求められています。今後の運営においては、より良い労使関係と透明性の確保が重要な課題と言えるでしょう。

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