福部駅

福部駅：山陰本線の駅舎から眺める鳥取の風景

鳥取県鳥取市福部町栗谷に位置する福部駅は、西日本旅客鉄道（JR西日本）山陰本線沿線に佇む駅です。1910年（明治43年）10月10日、山陰本線の岩美駅～鳥取駅間に塩見駅として開業しました。当初は旅客と貨物の両方を扱う駅として賑わいを見せていましたが、1949年（昭和24年）3月1日に現在の福部駅へと改称されました。

その後、時代の流れとともに変化を遂げます。1961年（昭和36年）9月23日には貨物取扱が廃止され、1972年（昭和47年）2月10日には荷物扱いも廃止、無人駅となりました。ただし、簡易委託駅として駅業務の一部は委託されています。国鉄分割民営化後、1987年（昭和62年）4月1日からはJR西日本の駅として運営されています。1993年（平成5年）3月頃には乗車駅証明書発行機が設置され、利用客の利便性向上に貢献しました。

駅の構造は、島式ホーム1面2線を有する地上駅で、列車の交換が可能です。鳥取鉄道部の管理下にあり、無人駅として静かにその役割を担っています。駅舎は線路の西側に位置し、以前は駅舎内に乗車駅証明書発行機が設置されていました。ホームへは構内踏切を渡る必要があり、トイレは駅舎の外側にあります。

興味深いことに、国鉄時代にはホームに面していない線路が存在し、貨物列車の待避などに使われていました。しかし、JR化後は使用されなくなり、撤去されています。これは、時代の変化とともに鉄道の運用方法が変化してきたことを象徴するエピソードと言えるでしょう。

現在では、2017年3月時点でホームにのりば番号標が整備されており、駅舎側（上り）を1番のりばとしています。隣の鳥取駅までは11.2kmと、山陰本線において最も長い駅間距離を誇り、新幹線を除けば、都道府県庁所在地代表駅との最長駅間距離でもあります。

利用状況は、「鳥取市統計要覧」によると、2020年度の年間乗車人員は2.3万人、1日平均乗車人員は約63人と推定されています。近年は、利用状況の変動が続いています。

駅周辺には、鳥取市役所福部町総合支所（旧・福部村役場）、福部郵便局、鳥取市立福部未来学園などがあり、地域の中心地としての役割を担っています。国道9号や鳥取県道43号鳥取福部線、鳥取県道188号池谷福部停車場線、鳥取県道212号福部停車場線などがアクセス道路として整備されています。観光地として有名な鳥取砂丘へは、当駅ではなく鳥取駅からのアクセスが便利です。

隣の駅は、大岩駅と鳥取駅です。福部駅は、歴史と静けさ、そして地域の生活を支える重要な役割を担う、山陰本線を代表する駅の1つと言えるでしょう。

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