稲上晃

稲上晃：日本のアニメーション界を彩る巨匠

稲上晃氏は、1963年生まれのベテランアニメーター、キャラクターデザイナーとして、日本のアニメーション業界に多大な貢献を果たしてきた人物です。大阪府出身で、大阪芸術大学卒業後、1986年に東映動画（現・東映アニメーション）に入社。同期には、為我井克美氏、佐々木憲世氏、幾原邦彦氏など、後に業界を代表するアニメーターとなる才能豊かな面々が名を連ねています。

東映アニメーション入社後は、アメリカのジム・ヘンソンとの合作作品である『Muppet Babies』に参加するなど、国際的なプロジェクトにも携わりました。その後、『聖闘士星矢 邪神エリス』で原画を担当し、アニメーターとしてのキャリアを本格的にスタートさせます。1990年にはOVA作品『峠についた赤い郵便受け』でキャラクターデザインを担当。この作品が氏のキャラクターデザインにおける才能を開花させるきっかけとなり、以後、数々のヒット作で重要な役割を担うことになります。

特に、氏のキャリアにおいて大きな転換点となったのは、『ドラゴンボール』シリーズへの参加です。主力アニメーターとして作品に貢献し、その高い技術力とセンスを広く知らしめました。その後も、『夢のクレヨン王国』や『ねぎぼうずのあさたろう』といった作品でキャラクターデザインを担当するなど、幅広い分野で活躍。独特のタッチと魅力的なキャラクター造形は、多くのファンを魅了してきました。

しかし、稲上氏の名前が最も広く知られるようになったのは、何と言っても『プリキュア』シリーズへの参加でしょう。同シリーズでは、『ふたりはプリキュア』から『ひろがるスカイ！プリキュア』まで、長きに渡り、キャラクターデザインや作画監督として、作品の世界観を形作る上で中心的な役割を担ってきました。その貢献は、シリーズの大きな成功に大きく寄与したと言えるでしょう。数多くのプリキュアシリーズ作品において、作画監督として、また原画として、そしてキャラクターデザインとして、氏の参加作品数は実に膨大です。その作品数は、シリーズの歴史と軌を一にすると言っても過言ではありません。

さらに、『おジャ魔女どれみ』シリーズや『明日のナージャ』などの人気作品においても作画監督として参加し、その高い技術力と表現力で、作品全体のクオリティ向上に大きく貢献しました。

劇場版アニメーション作品への参加も数多く、特に『プリキュアオールスターズ』シリーズでは、数々の作品でオリジナルキャラクターデザインを担当。その創造性は、シリーズの世界観をさらに豊かに彩るものとなっています。

長年にわたるアニメーション制作への貢献を称え、2016年には『稲上晃 東映アニメーションワークス』を出版。自身の作品や制作過程について詳細に解説しており、多くのアニメファンから高い評価を得ています。

数々の名作アニメーションの制作に携わり、日本のアニメーション文化の発展に大きく貢献してきた稲上晃氏。その功績は、これからも多くのアニメファンによって語り継がれていくことでしょう。

主な作品

テレビアニメ
DRAGON QUEST -ダイの大冒険-
ドラゴンボールZ
ドラゴンボールGT
夢のクレヨン王国
おジャ魔女どれみシリーズ
明日のナージャ
プリキュアシリーズ (多数の作品でキャラクターデザイン、作画監督として参加)
ねぎぼうずのあさたろう

劇場アニメ
聖闘士星矢 邪神エリス
三国志
おさわが!スーパーベビー
ドラゴンボール 最強への道
プリキュアオールスターズシリーズ (多数の作品でキャラクターデザイン、作画監督として参加)
魔女見習いをさがして

OVA
峠についた赤い郵便受け
3×3 EYES

海外合作作品
Muppet Babies
Hello Kitty's Furry Tale Theater

著書
* 稲上晃 東映アニメーションワークス

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