立会人

立会人（たちあいにん、りっかいにん）

立会人とは、選挙、スポーツの試合、将棋や囲碁の対局などにおいて、不正が行われていないか、記録が正規になされているかなどを見届ける役割を担う人物のことです。原則として、立会人は選挙や試合の当事者ではない第三者が務めます。

各分野における立会人

選挙における立会人

選挙における立会人には、投票立会人、開票立会人、選挙立会人が存在します。公職[[選挙法]]では、これらはいずれも「りっかいにん」と呼称されますが、マスメディアでは「たちあいにん」と呼ばれることが多いです。

投票立会人：公職[[選挙法]]第38条に規定されており、投票所における不正の監視を行います。各市町村の選挙管理委員会が選任し、投票所ごとに2名以上5名以下の配置が必要です。2名に満たない場合は、その場で補充が行われます。近年では、オンラインによる立会も導入され始めており、2024年には鳥取県江府町長選で全国初の「オンライン立ち会い」が実施されました。
開票立会人：公職[[選挙法]]第62条に規定されており、開票所での開票作業における不正の監視を行います。立候補者が選任できますが、10名までと定められており、それを超える場合はくじ引きで選ばれます。
* 選挙立会人：公職[[選挙法]]第76条に規定されており、選挙会において、開票結果に基づく得票総数の計算や当選人の被選挙権の有無の決定に対して意見を述べることができます。開票立会人同様、立候補者が選任できますが、10名までと定められており、それを超える場合はくじ引きで選ばれます。

将棋における立会人

将棋のタイトル戦では、1戦ごとに原則として1名以上の立会人が定められます。正立会人と副立会人が置かれることが多く、正立会人はベテランの高段棋士、副立会人も中堅以上の棋士が務めるのが一般的です。立会人の主な仕事は、対局の進行を管理することであり、対局中や前後に問題が発生した場合の仲裁や裁定、検分、封じ手の管理などを行います。また、観戦記者への指し手の解説や大盤解説会の解説役も担当することがあります。対局中は常に対局室にいるわけではなく、別室で検討に加わっていることが多いです。

東西の将棋会館で行われる対局にも立会人がつくことがあり、こちらは「対局立会」と呼ばれます。タイトル戦の立会と職務は基本的に同じですが、記録係の世話や報告書の作成といった業務も含まれます。

囲碁における立会人

囲碁のタイトル戦における立会人は「立会」（たちあい）と呼ばれ、将棋の立会人と同様の役割を果たします。

スポーツにおける立会人

スポーツにおいては、「競技役員」と呼ばれる立会人に相当する役職が存在します。競技によっては、会場運営に関わったり、審判員やタイムキーパーを兼ねる場合もあります。競技ごとに名称が異なり、サッカーやラグビーではマッチコミッショナー、バスケットボールではテーブルオフィシャル、バレーボールなどではジュリー、陸上競技などではインスペクター、自転車競技ではコミセールなどと呼ばれます。プロレスでは、タイトルマッチに立会人が参加し、試合がタイトルマッチであることを宣言したり、チャンピオンベルトの授与を行ったりします。

決闘における立会人

近世以降のヨーロッパ式決闘では、決闘する当事者がそれぞれ2名ずつの立会人を立てます。立会人は和解に努めますが、和解できない場合は決闘の準備を行い、武器やルールを決定します。そして、立会人の中から決闘責任者を選びます。日本では、決闘罪ニ関スル件により、決闘の立会人も処罰の対象となります。

立会人は、各分野において不正を防止し、公正な運営を支える重要な役割を担っています。

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