立木文彦

立木 文彦 (たちき ふみひこ)

立木文彦は1961年4月29日に長崎県南松浦郡（現在の五島市）で生まれました。彼は日本の声優及びナレーターとして広く知られており、現在は大沢事務所に所属しています。

来歴

生い立ち

文彦は長崎で育ち、高校1年生の際に親戚の叔母に声を褒められたことをきっかけに、自分の声に興味を持つようになりました。高校卒業後は東京映像芸術学院に入学し、上京しました。高校時代に演劇部に所属していなかったものの、人前で目立つことが好きだった文彦は、次第に表現することへの気持ちを高めていきました。そして、在学中に友人と共に始めたデュオグループが声優音楽事務所に目をつけられ、アマチュア活動を通じて声優活動をスタートさせました。

キャリア

彼のデビュー作は1983年のアニメ『聖戦士ダンバイン』と言われていますが、実際にはその前の『戦闘メカ ザブングル』でも脇役を演じています。その後も多くのアニメやゲーム作品で声を当てるだけでなく、海外映画の吹き替えやCM、テレビ番組のナレーション活動も行い、幅広いジャンルで活躍しています。特に、ディズニー・ピクサー作品においてはジョン・ラッツェンバーガーの声を専属で担当し、フォレスト・ウィテカーやマイケル・ルーカー、トム・サイズモアなど様々な俳優の吹き替えも手掛けています。また、2022年には第16回声優アワードで助演男優賞を受賞しました。

音楽活動

音楽にも積極的に取り組んでおり、TAKADA BANDの名義で三松亜美と共にアニメ『BLUE SEED』のオープニングテーマ「カルナバル・バベル」を発表するなど、CDアルバムもリリースしました。また、2003年には森川智之とヴォーカルユニット「2HEARTS」を結成し、音楽CDを発表したり、ライブ活動も行っています。

所属事務所の変遷

立木は当初、トルバドール音楽事務所に所属していましたが、その後大沢事務所に移籍しました。

人物・エピソード

立木は20代の頃、敵役や大人のキャラクターを演じることが多く、自身の年齢よりも老けたキャラを演じることが多かったです。その中でも、彼のキャリアのターニングポイントとなったのがアニメ『新世紀エヴァンゲリオン』で演じた碇ゲンドウです。監督である庵野秀明からは「感情を抑えた演技」を要求され、立木は当初非常に戸惑ったと語っています。その演出の結果、ゲンドウは作品の中で強い存在感を放ち、以降のナレーションにも役立つ経験となったと言われています。

さらに、立木は総合格闘技イベントPRIDEのナレーターとしても知られていますが、PRIDEの放送がフジテレビから撤退した際には一時期ナレーションから離れていました。しかし、2006年には再び復帰し、その際に会場の歓声を浴びることに成功しました。多くの昭和世代が思い出すキャラクターを誕生させてきた立木には、音楽活動や声の仕事だけでなく、幅広く親しまれる存在感があります。

立木は、『世界の果てまでイッテQ!』のナレーションや、ゲーム『New みんなのGOLF』では自身の声で「世界の果てまで！」と掛け声を担当するなど、様々なメディアで活躍を続けています。アニメ『銀魂』では長谷川泰三役を演じており、2018年公開の実写版でも俳優としての役柄を演じました。2021年には『第72回NHK紅白歌合戦』で碇ゲンドウとして特別に参加し話題となりました。

主な出演作品

立木文彦の出演作品は多岐にわたり、数多くのアニメ、映画、舞台で活躍してきました。彼の声を聞いたことがある方も多いでしょう。音楽からナレーション、声優業に至るまで、その存在感は今後もファンに支えられ続けていくことでしょう。

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