竹久夢二伊香保記念館

竹久夢二伊香保記念館

竹久夢二伊香保記念館（たけひさゆめじいかほきねんかん）は、群馬県渋川市に設立された私立の美術館であり、大正ロマンを代表する画家、竹久夢二の業績を紹介する場所です。1981年にオープンし、彼の作品や活動が豊富に保存されています。

概要

この記念館は、伊香保温泉街に位置し、榛名山を含む風景が広がる地域です。夢二はこの地を特に好み、かつてモデルの「お葉」と共に旅行し、榛名湖畔にアトリエを持つことを夢見ていたと言われています。美術館には、夢二に関する資料16,000点以上が集められており、画作品や版画、それに浴衣などのデザイン原画、日記及びスケッチ帖も展示されています。おかげで、訪れる人々は彼の創作の多様性に触れることができます。

また、館内では企画展の開催や出版活動も行われており、夢二の世界観を深く知る良い機会を提供しています。さらに、アンティークの人形や食器類、古美術品なども所蔵しており、他の美術館とは一味違った魅力を持っています。「大正ロマンの森」と呼ばれる敷地には、夢二が好んだ蔵をイメージした「本館 大正ロマンの館」、夢二の代表作『黒船屋』を展示する「本館 夢二黒船館」、伝統的な日本建築様式で作られた「新館 義山楼」といった多様な施設が存在しています。

施設紹介

本館 大正ロマンの館

1981年にオープンした「本館 大正ロマンの館」は、夢二が挿絵に描いた蔵の建築スタイルを形にした建物です。白壁と共に伝統的ななまこ壁のデザインが施されています。館内では『榛名山賦』や『青山河』といった夢二の代表作が展示され、彼の美的感覚を感じることができます。

本館 夢二黒船館

1995年に開館した「本館 夢二黒船館」は、夢二の代表作『黒船屋』の寄贈を契機に建設された洋風の館です。しかし、日本の伝統的な建築技法も取り入れられ、洋と和が融合した美しい建物となっています。特に、3階の展示室「蔵屋敷」では、約2週間の特別公開期間に『黒船屋』が展示されています。この特別な展示室は、夢二の作品をより引き立てるために工夫されています。

新館 義山楼

「新館 義山楼」は、伝統的な日本建築の技法と素材を使用して設計された美術館ファンクションを持つ施設で、国産の木材や和紙を使用しています。館内には江戸時代から明治・大正時代の和ガラスが展示されており、その美しさに感動させられます。この新館にある庭園は、小川治兵衛流の日本庭園であり、静けさと美しさを身近に感じられる場所となっています。

その他の施設

記念館には「別館 夢二子供絵の館」、「迎春庵」、「聴雪庵」など、他にもさまざまな施設があります。これらの施設は、訪れる人々に夢二の多様な魅力を伝えています。特に子供向けの絵の館では、夢二の作品を通じて楽しみながら学ぶことができるプログラムが展開されています。

主な収蔵品

記念館では、竹久夢二自身の作品が数多く収蔵されています。肉筆画には1908年の『BROKEN MILL AND BROKEN HEART』や、1914年の『江戸呉服橋之図』、さらには『黒船屋』といった傑作が含まれています。また、版画作品や浴衣の図案も多く、その一部は特別公開期間に合わせて展示されることもあります。

交通アクセス

竹久夢二伊香保記念館へのアクセスは、東日本旅客鉄道の上越線または吾妻線で渋川駅下車後、路線バスに乗って約25分と便利です。この美術館は、群馬県渋川市伊香保町544-119に位置しており、自然とアートが融合する特別な場所です。訪問の際には、ぜひその魅力的な作品や空間を体験してみてください。

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