精神的続編

精神的続編について

精神的続編（せいしんてきぞくへん）とは、従来の続編とは異なり、以前の作品のストーリーや世界観を引き継がない、新たなフィクション作品を指します。このような作品は、同じテーマや雰囲気、システムを持ちながらも、技術的には独自のものであり、英語では「spiritual successor」または「spiritual sequel」と呼ばれています。特にビデオゲームの業界でよく用いられる用語ですが、他のメディアでも適用されることがあります。

精神的続編が制作される背景

精神的続編の背景には、現代のビデオゲーム制作における知的財産権の管理が影響しています。ゲーム開発会社が著作権や商標権を所有してしまうため、制作チームのメンバーが変更されたり、独立したり、解雇された場合には、元の作品の続編を製作することができなくなります。こうした状況で、元の作品に似た新作を作りたい製作者が、知的財産権を避ける形で精神的続編を選択することがあるのです。

別のシナリオとして、元の作品があまり成功しなかったり、時が経ちすぎて忘れ去られたりした場合、制作チームは全く異なる新作を、元の作品の要素をほのめかす形で作り直すこともあります。この場合も、精神的続編と呼ばれることがあります。

精神的続編の具体例

ビデオゲーム

• - 『パーフェクトダーク』: これは『ゴールデンアイ 007』とは直接的なストーリーやキャラクターのつながりはありませんが、同じ開発チームやゲームエンジンを受け継いでいます。
• - 『Fallout』シリーズ: このシリーズは、1988年にリリースされたコンピューターRPG『Wasteland』に多くの影響を受けており、精神的続編と位置付けられています。『Wasteland』は2014年に直接の続編『Wasteland 2』が発表されています。
• - 『ゼノサーガシリーズ』: このシリーズは、『ゼノギアス』に関連する中核のメンバーが制作したもので、元の作品の要素を発展・拡張したものですが、公式には関係がないとされています。
• - 『BioShock』: このゲームは、開発者によって1999年にリリースされた『System Shock 2』の精神的続編とみなされています。
• - 『アサシン クリード』: 元々、『プリンス・オブ・ペルシャ』の続編として開発されていたタイトルから派生した作品です。

映画

• - 『危険な動物たち』: この映画は1988年の『ワンダとダイヤと優しい奴ら』の続編的な内容を持っています。
• - 『10 クローバーフィールド・レーン』: こちらは、『クローバーフィールド/HAKAISHA|クローバーフィールド_HAKAISHA』と同じシリーズ名を冠していますが、ストーリー的には直接の関係はありません。制作元のJ・J・エイブラムスは、この作品を「血のつながった映画」と表現しています。

関連項目

精神的続編に関連する用語として、外伝やスピンオフ、続編などを挙げることができます。また、模倣作品の中でも精神的続編に該当する状況は、オマージュやぱくりとは異なる条件を満たすことが求められます。

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