約束のネバーランド

『約束のネバーランド』（やくそくのネバーランド）は、原作・白井カイウ、作画・出水ぽすかの日本の漫画作品で、2016年から2020年まで『週刊少年ジャンプ』で連載されていました。この作品は、単なるマンガを超え、テレビアニメや映画、小説化など多岐にわたるメディアミックスが行われ、2023年8月の時点では世界で4200万部以上の累計発行部数を誇っています。

制作背景

この作品は、白井にとって初の連載作品であり、出水にとってはジャンプでは初めての連載でした。白井はプロトタイプとして『この世界でわたしたちが生き残る方法』という名の300ページ以上のネームからスタートし、2013年の冬に持ち込んだ結果、集英社の編集者によって評価され連載が決定しました。初期の設定はかなりダークなものでしたが、仲間を増やしながら進めるうちに、多くのトライアンドエラーを経て、最終的には現在の形に仕上がりました。

作風とテーマ

この作品は、孤児院で育った子どもたちが過酷な運命に抗おうとする物語です。ジャンプ作品の中では珍しい女性主人公が登場し、ダーク・ファンタジーやサスペンス要素が盛り込まれています。子供たちの友情や努力を中心に描きながらも、敵に対して対話を求める姿勢や、共存を願う気持ちが強調されています。また、宮崎駿やスタジオジブリの影響を受けたとされる独特なビジュアルとストーリー展開も特徴的です。

あらすじ

物語は、「グレイス=フィールド（GF）ハウス」と呼ばれる孤児院から始まります。ここでは、養子に出されるために育てられた子どもたちがいますが、実は彼らは鬼によって食料として養殖されていたのです。主人公たちのエマ、ノーマン、レイは、出荷される運命を背負った仲間たちと共に、孤児院の真実を知ることで抗うことを決意します。

まず、コニーの出荷を目撃したことで鬼の存在に気づき、彼らは仲間のドンやギルダと共に脱出計画を立てます。しかし、さまざまな試練や策略が待ち受けており、シスター・イザベラの思惑と対立します。さらに、ノーマンの出荷が決まったとき、彼は仲間たちに希望を託して去っていきます。

脱出後、彼らは鬼の世界を探索しながら、真実を求める旅に出ます。あらゆる困難を乗り越え、エマたちは次第に成長し、「約束」を結ぶための運命の選択を迫られることになります。物語は、彼らが出会う仲間や敵を通じて、産まれた運命の糸を辿る壮大な冒険を描いています。

世界観

作品の設定は、鬼によって支配される世界で、彼らは人間を家畜として扱っています。物語の舞台であるGFハウスは、表向きは孤児院として存在し、実は人間を食用として育てる施設です。様々な農園が存在し、鬼たちが維持する社会は、厳格な階級とルールによって支えられています。鬼と人間の関係、約束の内容は、物語の根幹に関わるテーマであり、彼らの生存を賭けた戦いは、外の世界へ出るための道を切り開くことにつながります。

主要キャラクター

- エマ: 主人公で、仲間たちを守るために奮闘する11歳の少女。
- ノーマン: 彼女の親友で賢い戦略家。
- レイ: 知識に秀で、実際的な思考を持つ少年。

約束のネバーランド